OBSERVATION観測
◇残暑のなかった9月
月の前半は、移動性高気圧におおわれて晴れる日が多くなりました。しかし、月の後半は南海上を東進した台風や低気圧、前線の影響で曇りや雨の日が多くなりました。月の前半に晴れる日が続いたため、月の日照時間は160.1時間と平年の123%になりました。特に、上旬の日照時間は72.4時間と平年の150%になりました。一方、台風や低気圧の直接の影響を受けることがなかったため、月降水量は114.0mm(平年比58%)と平年より少なくなりました。
気温の変化を見ると、日本付近の上層では西から東への流れが卓越して寒気の南下がほとんどなく、晴れる日も多かったため、平均気温が平年を上回る日が続きました。27日以降、北から寒気が入り気温が下がりましたが、月平均気温は22.0℃と平年より0.4℃高くなりました。
9月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 22.0 21.6 月降水量(mm) 114.0 197.8 月日照時間(時間) 160.1 129.8
旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 72.4 48.4 中旬 53.4 41.2 下旬 34.3 40.2
●9月の日立市役所における日平均気温と日照時間の推移
今年の9月は、太平洋高気圧の位置が平年より南で西の方へ張り出しました。本州付近は西から東へ進む移動性高気圧におおわれることが多く、日立市では例年のように南から暖かい空気の入ることがありませんでした。風向頻度を平年と比べてみると、今年の9月は暖かい空気の流れ込みやすい南から南西の風向と南岸に停滞する秋雨前線に向かって吹き込む北北東から北東の風向が少なくなっています。そのかわりに、本州付近を東進する移動性高気圧の影響で北から西の風向が多くなりました。
この結果、日最高気温が25℃以上となった夏日の日数は21日と平年の14.4日に比べて50%ほど多くなりましたが、日最高気温が30℃以上となった真夏日はなく、1988年以来20年ぶりに真夏日の日数が0日の9月となりました。このように、今年の9月は平均気温は平年より高くなったものの、極端に暑くなる日はありませんでした。
なお、9月に真夏日がなかったことと、8月の下旬もオホーツク海高気圧の影響で涼しい日が続いたことから、今年の日最高気温が30℃以上になった最後の日(真夏日終日)は、10月10日現在で8月20日(日最高気温30.1℃)となっています。このまま、10月以降に最高気温が30℃を超える日が現れなかった場合、この記録は日立市役所観測開始以来最も早い記録となります。(真夏日終日の最も遅い記録は、1999年の10月12日です。)
※2008年10月11日以降、真夏日となった日はありませんでした。この結果、2008年の真夏日終日は8月20日となりました。
●過去5年間の真夏日、夏日の日数及び真夏日終日の記録
真夏日の日数 年
日数
2004 6 2005 7 2006 2 2007 6 2008 0 平年値 2.7
夏日の日数 年 日数
2004 18 2005 22 2006 18 2007 19 2008 21 平年値 14.1
真夏日終日 順位 年 月日
1 2008 08/20 2 1955 08/21 3 1982 08/22 4 1988 08/23 5 1976 08/23 平年値 09/08 ※真夏日終日は早い順で、1953年から2008年の統計(10月10日現在)
8月から9月の日最高気温の推移(日立市役所) | 2008年9月の風向頻度分布(日立市役所) |
●6月から9月の日立市役所における日平均気温の推移
先に述べたように、今年の9月は平年に比べて太平洋高気圧の位置が南にありました。一方、偏西風は日本の北を流れることが多く、寒気が日本付近へ南下することはほとんどありませんでした。しかし、月末になるとオホーツク海で低気圧が発達し、この周りを回る形で寒気が本州付近へ入るようになりました。このため、日立市でも26日夜から27日朝にかけて気温が下がり、それまでの気温が平年より高い状態から一転して、27日以降は10月中旬並みの涼しい日が続くようになりました。
作成日:2008/10/08
訂補日:2009/08/19
訂補日:2013/04/26
訂補日:2015/06/24
名前 日立市天気相談所