OBSERVATION観測
◇暖かい空気におおわれ、中旬前半を除いて気温が高くなる
1月に引き続き冬型の気圧配置になることが少なく、高気圧と低気圧が交互に通過して天気は周期的に変化しました。特に、月の前半は高気圧におおわれて晴れる日が続き、降水量も少なくなりました。このため、月の日照時間は200.5時間、日照率は64.1%(平年比113%)と平年より多くなりました。反対に、月の降水量は41.5mm(平年比74%)と平年よりやや少なくなりました。一方、上旬後半に一時的に強い寒気が入ったときを除いて寒気の南下が弱く、南から暖かい空気におおわれやすかったため、月平均気温は6.6℃(平年比+2.0℃)と平年よりかなり高くなりました。
2月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 6.6 4.6 月降水量(mm) 41.5 56.3 月日照時間(時間) 200.5 172.1 日照率(%) 64.1 56.4
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 4.6 4.2 中旬 7.9 4.6 下旬 7.4 5.1
旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 86.7 62.9 中旬 55.8 59.5 下旬 58.0 48.4 ※下旬の日照時間の平年値は、各年の2月21日〜28日の合計値の30年平均。
●2月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移
●2月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移
◇2月の日立市内の気温と降水量
2月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は日立市役所が最も高くなっています。次いで、北に位置する北部消防署と十王交流センターが高くなっています。一方、本山と西部支所は気温の低い方になっています。市内7地点の平均気温は5.6℃で、水戸の月平均気温6.2℃よりも0.6℃低くなりました。1月と比較すると、日立市の平均気温は0.2℃高くなりました。なお、昨年2月の日立市内の平均気温は5.2℃、水戸の平均気温は5.4℃で、日立市に比べて水戸は昨年よりも気温がより高くなっています。
一方、月の降水量の市内平均は40.7mmで、1月の平均降水量150.9mmよりも約110mm少なくなりました。最も降水量が多かった本山の62.5mmに対して、最も少なかった南部支所は25.0mmと2.5倍の差で、1月に引き続き地点間の差が大きくなりました。また、市内7地点の平均降水量40.7mmに対して、水戸の月降水量は39.5mmとほぼ同じになりました。
●日立市内と水戸の2月の気温と降水量の観測結果
2月の気温(℃)の記録 観測地点 平均
気温最高気温 最低気温 気温 日時 気温 日時 日立市役所 6.6 16.2 15 13:22 -4.2 07 06:53 十王交流センター 6.3 16.3 15 14:27 -5.0 07 05:04 北部消防署 6.4 15.8 22 16:05 -5.1 07 06:31 本山(中学校跡) 3.5 17.3 13 12:59 -7.9 07 05:39 西部支所 4.3 18.0 13 13:54 -7.9 07 06:38 諏訪広場 5.6 15.6 15 11:13 -4.7 07 07:00 南部支所 6.2 16.4 13 13:14 -6.0 07 05:48 上記7地点の平均 5.6 - -
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日立会瀬 6.7 16.2 15 11:40 -4.7 07 06:45 水戸(金町) 6.2 18.3 13 14:18 -6.3 07 06:52
2月の降水量(mm)の記録 観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量 降水量 日 降水量 日時 日立市役所 41.5 17.0 17 3.0 17 19:00 十王交流センター 43.5 22.5 17 4.5 17 17:32 北部消防署 45.5 22.5 17 4.0 17 17:50 本山(中学校跡) 62.5 34.5 17 5.0 17 18:12 西部支所 39.0 26.5 17 4.5 17 14:22 諏訪広場 28.0 10.0 17 2.5 22 07:02 南部支所 25.0 7.0 17 2.5 22 07:06 上記7地点の平均 40.7 - -
- - 日立会瀬 41.0 13.5 17 3.0 18 01:40 水戸(金町) 39.5 14.0 17 3.0 18 00:29
※日立会瀬と水戸(金町)は気象庁の観測地点。
◇暖かい日が続くも、6日から7日は強い寒気が入り冷え込む
今年の2月は寒気の南下が弱く、下層へ南から暖気が流れ込むときもあって、朝の冷え込みが強まりませんでした。このため、2月の冬日の日数は8日と平年より6日少なく、昨年(2019年)に引き続き冷え込みの弱い2月になりました。ただ、6日から7日に一時的に強い寒気が入り、月最低気温は7日の朝に-4.2℃まで下がりました。
12月から2月までの冬季の期間で見ると、2018年の寒い冬から一転して2019年、2020年と暖かい冬が続きました。特に、2020年は1月、2月の月平均気温が平年より2.0℃高くなりました。この結果、冬季の平均気温は7.2℃となり、2007年の7.3℃に次いで観測開始以来2番目に高い気温となりました。また、2020年は冬日の日数も平年より少ない月が続き、冬季の冬日の日数は12日と平年の1/3になりました。これは、これまで冬日の日数が最も少なかった2007年の15日を抜いて、観測開始来第1位の少ない記録となりました。
●過去7年間の冬季の気温と冬日の日数(日立市役所)
月平均気温(℃) 年 前年
12月1月 2月 2014 7.2 4.5 3.9 2015 6.1 4.9 4.4 2016 8.6 5.1 5.7 2017 8.7 4.9 5.4 2018 6.1 3.9 3.9 2019 7.8 4.9 6.3 2020 8.3 6.6 6.6 平年値 7.3 4.6 4.6
月最低気温(℃) 年 前年
12月1月 2月 2014 -1.3 -2.9 -5.4 2015 -2.0 -2.4 -2.9 2016 -1.3 -2.7 -2.1 2017 -1.4 -3.5 -1.6 2018 -2.0 -5.6 -3.0 2019 -2.8 -1.8 -2.6 2020 -0.8 -0.7 -4.2
冬日の日数 年 前年
12月1月 2月 計 2014 3 16 14 33 2015 8 13 12 33 2016 2 10 9 21 2017 5 14 10 29 2018 7 17 16 40 2019 7 18 9 34 2020 1 3 8 12 平年値 6 17 14 37 ※月平均気温の青色で塗った欄は気温が平年以下の月を表す。
※月最低気温の青色で塗った欄は気温が-3℃未満を表す。
●冬季の気温と冬日の日数の記録(日立市役所)
平均気温(℃) 順位 年 平均気温 1 2007 7.3 2 2020 7.2 3 1979 7.0 4 1958 6.9 5 1959 6.7 平年値 5.5
冬日の日数 順位 年 日数 1 2020 12 2 2007 15 2 1973 15 4 2016 21 4 1979 21 平年値 36.9 ※順位は数値の大きい方または少ない方からで、1953年から2020年2月までの統計。
暖かい日が続いた中で、上旬の後半は一時的に強い寒気が入り気温が低くなりました。特に6日から7日は下層へ強い寒気が入ったため、7日の朝は冷え込みが強まりました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、5日09時の-1.2℃から6日21時には-12.4℃まで下がり、平年の気温(-3.8℃)より8.6℃低くなりました。この寒気の影響で、7日朝の関東地方では島しょ部を除いたすべての地点で今季の最低気温を記録しました。7日の関東地方各地の最低気温は、栃木県土呂部で-15.5℃、群馬県田代で-14.3℃、栃木県奥日光で-13.9℃など、86観測地点の内82観測地点で今季の最低気温を記録しました。また、茨城県から栃木県、群馬県を中心に52地点で、最低気温が-5℃未満となりました。
茨城県内のアメダス観測地点における7日の最低気温は、大子で-9.3℃、笠間で-9.1℃、鉾田で-8.8℃など、14観測点すべてで0℃未満の気温となるとともに、今季の最低気温となりました。また、日立会瀬と鹿嶋を除いた12地点で、最低気温が-5℃未満ととなりました。
日立市内でも、7観測地点すべてで0℃未満との気温となるとともに、今季の最低気温を記録しました。日立市役所では最低気温-4.2℃を観測し、2018年1月27日に記録した-5.1℃以来の低い気温となりました。また、本山と西部支所では最低気温-7.9℃を記録し、日立市内で最も低い気温となりました。
日立市役所における気温の推移を見ると、6日昼頃に上層の気圧の谷が通過した後、北西の季節風が弱まった夕方から気温が下がり始め、17時30分には気温が0℃未満となりました。6日夜遅くから7日未明にかけては風がやや強まり、気温は横ばいで推移しました。しかし、7日の明け方には風が弱まったことから一段と気温が下がり、06時53分に最低気温-4.2℃を記録しました。日立市役所以外の他の地点も同様な気温の変化をし、明け方から朝に最低気温を記録しました。
●今季の最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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※2019年12月1日以降、2020年2月29日現在の最低気温の低い方からの記録。
●2月6日から7日の気温の推移
●2月6日07時と13時のアメダスによる気温の分布
北から寒気が流れ込んできたため、関東地方北部では朝の最低気温が0℃未満となりました。また、日中の最高気温も5℃以下となりました。日立市役所の6日の最高気温は5.0℃(11時26分)と、平年(9.2℃)より4.2℃低くなりました。
●2月7日06時と14時のアメダスによる気温の分布
下層の寒気は、7日の午前中には東へ抜けていきました。ただ、晴れて風が弱く放射冷却が強まったことから朝の冷え込みは強まり、関東地方北部では最低気温が-5℃未満となりました。一方、寒気が抜けたことから最高気温は前日よりも高くなり、北部の山沿いを除いて5℃以上となりました。日立市役所の7日の最高気温は6.8℃(13時43分)と、前日より1.8℃高くなりました。
●2月6日と7日10時の気象衛星可視画像
●2月6日と7日09時の500hPa面高層天気図
●2月6日と7日09時の地上天気図
作成日 2020/03/15
名前 日立市天気相談所