OBSERVATION観測
◇上旬は気温が低く、下旬は気温が高くなる
上旬は断続的に寒気が入り、強い冬型の気圧配置となって晴れて乾燥した天気が続きました。中旬以降は高気圧と低気圧が交互に通過して、天気は周期的に変わりました。ただ、上層の気圧の谷と南岸に停滞する前線の影響で、時々天気のぐずつくときがありました。また、低気圧の通過に伴って周期的に暖気が入り、気温の高くなるときがありました。上旬は平年より気温が2.2℃低くなったものの、中旬以降は気温が高くなる時があったため、月平均気温は4.5℃と平年より0.3℃低いだけで、平年並みになりました。また、月の日照時間も185.5時間(平年比96%)と平年並みになりました。一方、日本付近での低気圧の発達は弱く、月降水量は19.5mm(平年比37%)と平年より少なくなりました。
1月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 4.5 4.8 月降水量(mm) 19.5 53.3 月日照時間(時間) 185.5 193.8
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 3.0 5.2 中旬 4.4 4.6 下旬 6.0 4.5
旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 67.4 63.6 中旬 55.7 61.3 下旬 62.4 69.0
●1月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移
●1月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移
◇1月の日立市内の気温と降水量
1月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高く、市内平均より1.3℃高くなりました。次いで気温が高かったのは北に位置する十王交流センターと北部消防署で、市役所より0.4℃低くなりました。一方、山間部にある西部支所と本山は気温が低い方になっています。市内7地点の平均気温は3.2℃で、12月より2.0℃低くなりました。また、水戸の月平均気温は3.4℃と日立市の平均より0.2℃高くなりました。なお、昨年1月の日立市内の平均気温は5.4℃、水戸の平均気温は5.6℃で、ともに昨年よりも気温が2.2℃高くなっています。
一方、月の降水量の市内平均は15.4mmで、12月の平均降水量5.2mmより10mm近く多くなりました。最も降水量の多かった本山の26.0mmに対して、最も少なかった十王交流センターは9.5mmと2.7倍の差でした。また、市内7地点の平均降水量15.4mmに対して、水戸の月降水量は21.0mmと5mm近く多くなりました。
●1月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果
1月の気温(℃)の記録 観測地点 平均
気温最高気温 最低気温 気温 日時 気温 日時 日立市役所 4.5 17.7 27 11:56 -3.6 20 06:46 十王交流センター 4.1 16.6 27 12:06 -4.7 10 06:37 北部消防署 4.1 16.2 27 12:00 -4.4 10 04:56 本山(中学校跡) 1.1 14.2 27 12:01 -7.1 10 06:35 西部支所 1.6 15.6 22 13:51 -8.3 09 06:25 諏訪広場 3.4 16.0 27 11:04 -4.8 10 05:20 南部支所 3.6 16.0 27 13:52 -7.2 09 07:24 上記7地点の平均 3.2 - -
- -
日立会瀬 4.6 16.7 27 11:50 -4.2 10 06:54 水戸(金町) 3.4 16.5 27 13:42 -6.8 09 07.14
1月の降水量(mm)の記録 観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量 降水量 日 降水量 日時 日立市役所 19.5 6.0 24 2.0 24 07:20 十王交流センター 9.5 3.5 24 1.0 28 18:37 北部消防署 13.0 4.0 23 1.5 24 07:04 本山(中学校跡) 26.0 8.5 23 2.0 24 07:40 西部支所 18.0 8.0 24 4.0 24 07:07 諏訪広場 11.5 4.0 23 2.0 23 15:57 南部支所 10.0 4.5 23 2.0 23 16:12 上記7地点の平均 15.4 - -
- - 日立会瀬 17.0 5.0 23 2.0 28 16:08 水戸(金町) 21.0 7.5 23 2.0 24 07:05
※日立会瀬と水戸(金町)は気象庁の観測地点。
◇南岸低気圧が通過して、一時的に雪が降る(1月28日)
28日、日本海を低気圧が東北東へ進みました。また、これとは別の低気圧が本州の南を陸地から離れて東北東へ進みました。ただ、本州の南を進む低気圧が先行し、日本海を進む低気圧が半日ほど遅れて進んだことから、低気圧に伴う暖気が関東地方へは入りませんでした。また、低気圧の前面を高気圧が三陸沖へ進んだことから、北東の風に伴って地表付近へ一時的に冷たい空気が流れ込みました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、27日09時の6.4℃から28日09時には-1.9℃まで下がりました。しかし、平年(-4.5℃)よりは高く、上空には強い寒気は入りませんでした。これに伴って、一部の地点では昼頃から降り出した雨が昼過ぎから夜の初めにかけて雪に変わりました。しかし、強い寒気が入らなかったことから、平野部では積雪にはなりませんでした。
日立市役所では、27日の日中に日本海北部を進んだ低気圧に向かって南から暖かい空気が入り、27日の最高気温は17.7℃まで上がりました。28日になると低気圧はオホーツク海へ進み、かわって高気圧が東北地方から三陸沖へ進んだため、午前中は晴れ間が広がりました。しかし、三陸沖へ進んだ高気圧から冷たく湿った北東の風が入り始め、昼過ぎから雨が降り出しました。雨が降り出すとともに気温が下がり始め、15時21分には日最低気温1.2℃を記録しました。このため、14時から16時にかけて雪が降り、15時頃には一時的に芝生が一面白くなりました。最低気温を記録した後、気温は2℃近く上がり雪は雨に変わりました。その後、気温は1℃ほど下がった後、夜にかけて徐々に上がり24時には4.7℃まで上がりました。
日立市役所以外の観測地点でも同じような気温の変化をし、山間部の本山と西部支所を除いて15時過ぎに最低気温を記録しました。本山でも、13時30分過ぎに気温が2℃近く下がり、15時30分には-0.7℃まで下がりました。その後の気温の上がり方は鈍く、24時になっても気温は1.1℃までしか上がりませんでした。このため、29日朝の神峰山はわずかに冠雪している様子が見られました。
●1月28日の気温(℃)と平年値の比較
地点 | 日平均気温 | 最高気温 | 最低気温 | |||||
気温 | 平年値 | 気温 | 時刻 | 平年値 | 気温 | 時刻 | 平年値 | |
日立市役所 | 3.8 | 4.5 | 5.5 | 11:19 | 9.3 | 1.2 | 15:21 | 0.1 |
十王交流センター | 3.4 | − | 5.7 | 11:21 | − | 1.0 | 15:36 | − |
北部消防署 | 3.2 | − | 5.3 | 10:41 | − | 0.7 | 15:42 | − |
本山(中学校跡) | 0.8 | − | 3.3 | 11:31 | − | -1.5 | 05:00 | − |
西部支所 | 1.5 | − | 5.6 | 10:24 | − | -1.2 | 05:16 | − |
諏訪広場 | 2.8 | − | 4.6 | 11:22 | − | 0.6 | 15:36 | − |
南部支所 | 3.2 | − | 5.9 | 10:16 | − | 1.1 | 15:22 | − |
日立会瀬 | 3.7 | − | 6.0 | 00:11 | − | 0.8 | 15:21 | − |
水戸(金町) | 3.1 | 2.8 | 6.6 | 09:57 | 8.7 | 0.9 | 18:41 | -2.5 |
●1月28日の雪の様子(市役所から北西を見る)
●2021年1月28日の気温と風速の推移
●参考:2021年1月28日13時、15時及び17時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:2021年1月28日15時の地上天気図と21時の850hPa面高層天気図
※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。観測地点における上段の数値は、その地点の850hPaの高さにおける気温を、下段の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。また、網掛けの部分は、気温と露点温度の差が3℃以下(空気が湿っていることを表す)の領域を表しています。
作成日 2021/02/14
名前 日立市天気相談所