◇中旬後半から寒気が入り、気温が低くなる

　上旬前半は移動性高気圧におおわれて、晴れて暖かい日が続きました。しかし、上旬の後半は動きの遅い上層の気圧の谷の影響で、天気がぐずつきました。中旬に入ると、再び移動性高気圧におおわれるようになりました。しかし、17日に本州南岸を低気圧が北東へ進んだ後は気圧系が大きく変わり、冬型の気圧配置が続くようになるとともに強い寒気が南下してきて気温が低くなりました。上旬は平年より気温が高くなったものの、下旬は平年より気温が低くなったことから、月平均気温は7.4℃と平年並みになりました。一方、上旬後半に天気がぐついたものの、それ以外の期間は晴れる日が続いたため、月の日照時間は188.0時間（平年比105％）と平年より多くなりました。また、1日と7日から8日にかけて寒冷前線と低気圧の影響で50mm前後の雨が降ったことから、月の降水量は121.5mm（平年比261％）と平年よりかなり多くなりました。

12月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温（℃） 7.4 7.4 月降水量（mm） 121.5 46.6 月日照時間（時間） 188.0 179.6

旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 10.1 8.8 中旬 7.3 7.2 下旬 5.1 6.2

旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 48.5 52.9 中旬 63.5 58.9 下旬 76.0 67.8

　●12月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

　●12月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移

◇12月の日立市内の気温と降水量

　12月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高く、7.4℃と市内平均より1.5℃高くなりました。次いで気温が高かったのは海に近い十王交流センターと北部消防署で、市役所より0.5℃低くなりました。一方、山間部にある西部支所と本山は気温の低い方になっています。市内7地点の平均気温は5.9℃で、11月より5.5℃低くなりました。水戸の月平均気温は5.9℃と、日立市の平均と同じになりました。なお、日立市内で水戸よりも平均気温が低かったのは、本山と西部支所の2か所だけでした。

　一方、月の降水量の市内平均は129.4mmで、11月の平均降水量73.9mmよりも60mm近く多くなりました。観測地点間の差は11月より小さくなり、最も降水量の多かった本山の151.5mmに対して、最も少なかった南部支所は114.0mmと1.3倍の差でした。また、市内7地点の平均降水量129.4mmに対して、水戸の月降水量は135.0mmとほぼ同じになりました。

　●12月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果

12月の気温（℃）の記録 観測地点 平均 気温 最高気温 最低気温 気温 日時 気温 日時 日立市役所 7.4 18.1 01 14:02 -1.9 31 24:00 十王交流センター 6.9 18.5 01 14:08 -3.3 28 06:53 北部消防署 6.9 17.7 01 10:42 -2.5 19 06:09 本山（中学校跡） 3.8 15.5 01 09:02 -6.5 27 04:38 西部支所 4.0 16.4 01 08:51 -7.2 27 05:06 諏訪広場 6.0 16.8 01 09:08 -3.0 31 23:59 南部支所 6.2 17.4 01 14:49 -5.7 27 06:53 上記7地点の平均 5.9 - - - - 日立会瀬 7.4 18.2 01 10:38 -2.5 19 04:44 水戸（金町） 5.9 18.5 01 12:17 -4.6 27 07:31

12月の降水量（mm）の記録 観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量 降水量 日 降水量 日時 日立市役所 121.5 52.0 01 25.5 01 08:04 十王交流センター 132.5 62.5 01 30.0 01 08:07 北部消防署 126.5 55.5 01 25.0 01 08:07 本山（中学校跡） 151.5 75.0 01 27.0 01 08:00 西部支所 129.5 67.0 01 24.5 01 07:59 諏訪広場 130.0 51.5 01 22.0 01 08:05 南部支所 114.0 48.0 01 20.0 01 08:06 上記7地点の平均 129.4 - - - - 日立会瀬 118.0 46.0 01 21.0 01 08:05 水戸（金町） 135.0 58.5 01 23.0 01 07:54

　※日立会瀬と水戸（金町）は気象庁の観測地点。

◇南岸低気圧の通過に伴い強い風が吹いた後、気温が低くなる（12月17日）

　17日に、低気圧が発達しながら本州南岸から北海道の東へ進んだ後、冬型の気圧配置になるとともに日本付近へ強い寒気が流れ込んできました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近（850hPa面）の気温は、17日09時の+7.7℃から18日09時には-8.7℃まで下がり、強い寒気が流れ込んできたことを示しています。

　17日の関東地方は、低気圧の接近に伴って南から暖気が入ったため、雨が降ったにもかかわらず最高気温は15℃前後まで上がりました。低気圧が三陸沖へ進んだ夕方になると、北部から北西の風に変わってくるとともに寒気が流れ込んできて気温が下がり出し、24時には南部を除いて気温は5℃未満となりました。その後も気温は下がり続けて、18日の朝には沿岸部を除いて0℃未満となりました。18日の日中も気温は上がらず、各地の最高気温は10℃未満と最も寒い時期を下回りました。夜には朝よりも気温が低くなり、南部を除いて0℃未満の気温となるとともに、今季の最低気温を記録した所が多くなりました。18日の関東地方各地の最低気温は、群馬県田代で-10.5℃、草津で-10.3℃、沼田で-10.1℃など、86地点の内58地点で最低気温が0℃未満となりました。また、茨城県内の最低気温は、大子で-4.5℃、北茨城で-4.3℃、笠間で-4.1℃を記録するなど、14観測地点の内、古河、下妻、土浦及び鹿嶋を除く10地点で最低気温が0℃未満となりました。また、7地点で今季の最低気温となりました。

　日立市役所における気温の推移をみると、17日は低気圧に伴う暖気の影響で未明から夜の初めにかけて気温は10℃前後で推移しました。21時過ぎにに風向が北西に変わるとともに、気温は一気に6℃近く下がり、その後も18日の朝にかけて気温は下がり続けて、06時47分には-0.2℃を記録しました。18日の日中は5.4℃まで気温が上がったものの、夜は一段と冷え込みが強まり、23時14分に日最低気温-1.0℃を記録しました。これは、日立市役所における今季初めての冬日（日最低気温0℃未満の日）で、昨年（2020年）よりも3日遅く、平年（12月17日）よりも1日遅い記録となっています。

　市内の他の地点も、全地点で最低気温が0℃未満となりました。また、すべての地点で今季最も低い気温となりました。本山では最低気温が-4.1℃まで下がり、日立市内で最も低い気温となりました。これは、茨城県内のアメダス観測地点と比較しても、大子、北茨城に次いで低い気温でした。

　また、寒気が流れ込んできた17日の夜は、寒気の先端の通過時に一時的に北西の風が強く吹きました。日立市役所では、17日21時28分に最大瞬間風速24.9m/sの北北西の風を記録しました。これは、10月1日に関東地方の東海上を北東へ進んだ台風第16号に伴って記録した北北西の風24.2m/sを超えて、今年一番の強い風となりました。市内の他の観測地点は、いずれも日立市役所より風速は小さくなりました。その中で、沿岸部の北部消防署、諏訪広場、南部支所は他の地点よりも風速が大きく、最大瞬間風速は15m/sを超えました。

　●12月17日と18日の気温（℃）の記録

　※日立会瀬と水戸（金町）は、気象庁の観測地点

　●過去7年間の12月の気温の記録（日立市役所）

　●12月17日から18日の最大風速（m/s）の記録

　※日立会瀬と水戸（金町）は、気象庁の観測地点。

　●2021年12月17日〜2021年12月18日の気温の推移

　●2021年12月17日〜2021年12月18日の風速の推移

　●参考：2021年12月17日22時のアメダスによる気温と風の分布

　●参考：2020年12月18日24時のアメダスによる気温と風の分布

　●参考：2021年12月17日と18日09時の地上天気図

　●参考：2021年12月17日と18日09時の500hPa面高層天気図

※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。また、観測地点における上段の数値は、その地点の500hPaの高さにおける気温を、下段の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。

　●参考：2021年12月17日と18日10時の気象衛星可視画像

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作成日 2022/01/13
名前 日立市天気相談所