OBSERVATION観測
◇暖かい年の始め
月の前半は低気圧と高気圧が交互に通過し、天気は周期的に変わりました。このため、冬型の気圧配置になることがなく、南から暖気が入り気温が高くなりました。また、上旬後半から中旬にかけては低気圧が本州付近を頻繁に通過して、曇りや雨の日が多くなりました。下旬になると寒気が南下してきて強い冬型の気圧配置が現れるようになり、気温は低くなりました。この結果、月平均気温は6.6℃と平年より2.3℃高くなり、1972年に次いで観測開始以来2番目に高い気温となりました。上旬後半から中旬にかけて低気圧の影響を受けたことから月降水量は63.5mmと平年の141%なりました。一方、月の日照時間は165.9時間(平年比83%)と平年より少なくなりました。
1月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 6.6 4.3 月降水量(mm) 63.5 45.0 月日照時間(時間) 165.9 199.1
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 9.2 4.9 中旬 6.8 4.1 下旬 4.0 3.9
●1月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPa気温の推移
旬別の平均気温を見ると上旬は特に高く、旬平均気温は9.2℃と平年よりも4.3℃高くなりました。これは、これまで最も高かった1979年の7.7℃を大きく上回り、観測開始以来第1位の記録となりました。また、1月の日最高気温の月平均も11.6℃と、1月の月平均最高気温としては観測開始以来第1位の記録となりました。これは、1月1日から18日にかけて、12日を除き連日、最高気温が10℃を超えたためです。さらに、上旬から中旬は冷え込みも弱く、冬日(最低気温0℃未満の日)となったのは2日の1回だけで暖かい年の始めになりました。
下旬には寒気が入って気温が低くなり、28日には最低気温-4.2℃まで下がりました。しかし、中旬までの冷え込みの弱さが影響して、月の冬日の日数は7日と1972年に次いで少なくなりました。なお、日最高気温の月平均の高い方からの記録を見ると、2000年、1997年、1999年と最近の年が並び、暖かい冬が続いています。ちなみに、1998年の月平均最高気温は9.7℃で第13位です。
●1月の気温の記録
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※順位は気温の高い方及び日数の少ない方から、1953年〜2000年の統計
●1月の日立市役所における日最高気温と日最低気温の推移
◇下旬に強い冷え込み
5日と27日の高層天気図を比べてみると、日本付近で上層の大気の流れが大きく異なっていることがわかります。5日の高層天気図では、日本付近で偏西風は西北西から東南東へ流れており、-33℃の等温線で示される寒気も北海道止まりとなっています。一方、27日の高層天気図では日本付近で偏西風が大きく南へ蛇行し、-33℃の等温線で示される寒気は山陰地方から関東地方まで南下しています。
これに伴って、気象衛星可視画像にも違いが見られます。5日の可視画像では、上層の気圧の谷の前面に広がる上中層雲が日本海西部から黄海に広がるとともに、九州の西には南北にのびる雨雲があります。一方、27日の画像では強い寒気の影響で、日本海から黄海、東シナ海にかけて一面に筋状の雲が広がり、その一部は西日本の太平洋側にも流れ出しています。
●参考:2000年1月28日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図
更新日:2000/02/08
訂補日:2013/10/24
名前 日立市天気相談所