OBSERVATION観測
◇春の雷
低気圧と高気圧が交互に通過し、天気は周期的に変わりました。中旬後半から下旬前半を除いて高気圧におおわれ晴れる日が続いたため、日照時間は219.7時間と平年の126%になり、4月の日照時間としては観測開始以来3番目に多い記録となりました(全天日射量も、同じように観測開始以来3番目に多い記録でした)。その一方で、月半ばから下旬の前半にかけて本州付近を低気圧が発達しながら通過するたびにまとまった雨が降ったため、月降水量は210.5mmと平年の153%になりました。
また、月の前半は比較的暖かい空気におおわれ気温は高くなりました。月の後半は上層にう寒気が入るようにうなりましたが、地上の気温はほぼ平年並みに推移しました。この結果、月平均気温は12.4℃と平年より0.6℃高くなりました。
4月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 12.4 11.8 月降水量(mm) 156.0 132.4 月日照時間(時間) 191.1 177.7
気温の旬変化(℃) 旬 平均気温 旬平年値 上旬 11.3 10.4 中旬 12.1 11.8 下旬 13.7 13.6
●4月の日平均気温とつくばにおける500hPaの気温の推移
今年の4月は、上層の寒冷渦が日本付近を通ることが多く、雷雨になる日が多くありました。日立市でも、11日、23日、24日、27日に雷が鳴りました。特に、23日は、寒冷渦に伴う低気圧から伸びる寒冷前線が通過する際に雹が降り、一時的に強い雨が降りました。
23日の天気の変化を見ると、午前中は晴れて南よりの風が吹き、気温も20℃を超えました。11時過ぎからにわか雨が降り始め、12時前には雹も降りました。この後、風が北寄りに変わり、気温が10℃近くも下がり、寒くなりました。【市役所における4月23日の10分間データ:テキストファイル11KB(下のグラフの元データ)】
参考までに,、10時の気象衛星ひまわりの画像を載せておきます。寒冷前線の雲は、東北地方から南へ伸び、栃木県から群馬県にかかっています。この雲の下では、1時間に1〜5mmの弱い雨が降っています。
この後、この雲は茨城県に入って急に発達し、一時的に強い雨や雹を降らせました(日立市役所では、11時43分から11時53分の10分間で、12.0mmの強い雨が降りました)。 この時の500hPa高層天気図を見ると、-30℃以下の寒気が、能登半島沖まで南下しています。
●4月23日の気温と気圧及び風速の推移(10分値)
●4月23日11時00分から12時30分の降水レーダ図
●参考:寒冷渦通過時の地上及び高層天気図
2000年04月23日09時の地上天気図 |
2000年04月23日09時の500hPa面高層天気図 |
※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。また、観測地点における「−」の数値は、その地点の500hPaの高さにおける気温を、「+」の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。
●参考:寒冷渦通過時の気象衛星可視画像
2000年04月23日10時のひまわり可視画像図 |
2000年04月23日12時のひまわり可視画像図 |
更新日 2000/05/16
訂補日:2013/02/12
名前 日立市天気相談所