OBSERVATION観測
◇寒気が入りやすく雷が多かった5月
5月も上空に寒気の入ることが多く、日立市では2日、8日、14日、16日、24日と雷がありました。また、中旬は上層が寒気におおわれ、にわか雨の多い天気になりました。しかし、気候の変化は順調で、下旬には移動性高気圧におおわれ晴れて気温も上がるようになりました。このため、月平均気温は16.7℃と平年より0.6℃高くなりました。中旬に天気がぐずついたことから、月の日照時間は176.4時間l;と平年の94%でした。一方、月降水量は197.0mm(平年比122%)と平年より多くなりました。
5月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 16.7 16.1 月降水量(mm) 197.0 162.0 月日照時間(時間) 176.4 187.9
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 14.8 15.2 中旬 15.8 16.2 下旬 19.4 17.0
旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 65.2 61.6 中旬 34.1 57.6 下旬 77.1 68.7
●5月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPa気温の推移
◇上層寒気により雨が続く(12日〜14日)
10日頃から中国東北区に停滞した寒冷渦の南側を回る形で、12日から14日にかけて寒気を伴った上層の気圧の谷が黄海から日本海へ進みました。このため、全国的に不安定な天気となり、13日には京都で直径8mm、奈良で直径5mmのひょうが降り、18時48分には奈良で79.0mmの1時間降水量を記録しました。
日立市では12日の昼過ぎから降り始めた雨が、止み間をまじえて14日の昼前まで降り続きました。特に、寒気の前面に広がる雨雲が通過した13日の夜から14日の未明にかけては、1時間に20mmを超える強い雨が降りました。12日14時から14日12時までの市内の降水量は80.0〜118.5mmで、市の南部よりも北部で降水量が多くなりました。14日の昼過ぎからは晴れ間が広がりましたが、上層に寒気が残り大気の不安定な状態が続いたため、夕方から夜の初めにかけて雷を伴ったにわか雨が降りました。ただ、寒気の中心は東へ抜けていたため、市内の降水量は8.5〜10.0mmで多くはなりませんでした。
※総降水量は、12日14時から14日12時までの合計。 |
●5月13日20時と22時の降水レーダー図
●5月14日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図
●5月13日09時、21時、14日09時の気象衛星水蒸気画像
◇北東風により、日立市周辺だけ曇る(25日)
最初に述べたように、下旬は移動性高気圧におおわれて晴れる日が多くなりました。25日も移動性の高気圧におおわれて、北日本の所々で霧がかかっている以外は、本州では晴れました。しかし、日立市では9時前から雲が広がり始め、昼前には完全に曇りとなりました。アメダスの観測値を見ると、12時で雲がかかっているのは北茨城市から日立市にかけてだけで、その他の関東地方はよく晴れています。また、12時の気温を見ると日立市と北茨城市で15℃以下になっている以外は大部分の地点で20℃を超え、内陸部では25℃を超えている地点もあります。
12時の気象衛星ひまわりの可視画像を見ると、いわき市から銚子市の海岸線に沿って雲がかかっています。その中でも、日立市の海岸線に沿ってやや白く輝いて見える雲があり、内陸部に少し入っているのが見えます。これは、晴れて暖まった陸地へ冷たい海からの東風が吹きつけて、雲が発生しているものと考えられます。この雲は13時過ぎには沖合いへ離れ始め、日立市でも晴れて暖かくなりました。なお、この日の最高気温は18.0℃(13時33分)でした。
●参考:5月25日のアメダスによる気温と日照時間の分布
●参考:5月13日09時、21時、14日09時の気象衛星水蒸気画像
●参考:北東風流入時の天気図と気象衛星画像
2000年05月25日09時の地上天気図 |
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更新日:2000/06/16
訂補日:2013/11/19
訂補日:2014/11/13
名前 日立市天気相談所