OBSERVATION観測
◇雨の少なかった8月
太平洋高気圧におおわれ、上旬と下旬を中心に晴れて暑い日が続きました。しかし、太平洋高気圧の勢力が安定せず、上層への寒気の流入や高気圧縁辺を回る暖湿気の影響で雷雨やにわか雨が頻発しました。ただ、なぜか日立市には雷雲が近づかず、日立市では夕立になる日がほとんどありませんでした。1mm以上の降水があった日は9日1.5mm(雷雨)、13日8.5mm(台風第9号と前線)、17日41.5mm(雷雨)の3日で、1984年の2日に次いで少ない日数でした。この結果、月降水量は51.5mm(平年比35%)と平年より少なくなりました。これは、8月の降水量としては日立市役所観測開始以来5番目に少ない降水量でした。
中旬は、日本の東海上を北上した台風の西側を回る冷たい北東の風が入り、気温が低くなるとともに曇りや雨の日が多くなりました。しか、上旬と下旬に晴れて暑い日が続いたことから、月の日照時間は215.7時間(平年比114%)と平年より多くなりました。また月平均気温は25.9℃と平年より1.0℃高くなりました。
8月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 25.9 24.9 月降水量(mm) 51.5 146.3 月日照時間(時間) 215.7 188.9
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 26.2 25.1 中旬 24.9 25.2 下旬 26.6 24.4
旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 90.1 65.4 中旬 55.8 65.3 下旬 69.8 58.2
●8月の日立市役所における日平均気温と日照時間の推移
この10年間の8月の気温をみると、1999年、1995年、19994年と、平年より2℃近く気温の高い年が続いたため、それらの年に比べると今年の8月は目立って高くはありませんでした。また、月最高気温も12日の34.2℃と、35℃を超えることはありませんでした。しかし、真夏日の日数(日最高気温30℃以上の日)は22日と、昨年(1999年)に次いで多くなり、晴れて気温の上がる日が多かった8月でした。特に、22日に台風第10号が東シナ海から中国大陸へ進んだ後は太平洋高気圧が勢力を強めて本州付近をおおうようになり、気温が高くなりました。下旬の平均気温は26.6℃と平年より2.2℃高くなり、1995年と並んで観測開始以来最も高くなりました。
|
|
|
|
※順位は値の少ない方からで、1959年〜2000年の統計。
|
|
※順位は値の少ない方からで、1959年〜2000年の統計。
◇関東地方を迂回した台風第9号が冷たい空気を引き込む
12日に、紀伊半島の南まで台風第9号が北上してきました。しかし、西から上層の気圧の尾根が進んできて台風の進路をさえぎる形となったため、台風は向きを東へ変えて本州の南海上を東北東へ進み、14日には関東地方の東へ進んでいきました。台風が東へ進むのに伴って、台風の西側を回り地表付近へ北から冷たい空気が入ってきました。このため、日立市では12日の夕方から北東の風がやや強く吹き始め、気温は下がっていきました。
日立市役所における気温の推移をみると、日最高気温は7月28日から8月12日にかけて9日を除いて30℃以上の真夏日が続きました。13日は冷たい北東の風が入り下層雲が広がるとともに弱い雨が降ったため、最高気温は25.9℃までしか上がりませんでした。14日〜16日にかけては台風が東海上へ離れて晴れたため、再び最高気温は30℃以上となりました。しかし、その後は下層へ寒気が流れ込んできたため、20日にかけて気温の低い日が続きました。
●8月11日から13日にかけての気温の推移(1時間値)
●13日09時の地上天気図と台風第9号の進路図
●13日09時の気象衛星可視画像と水蒸気画像
●8月12日〜19日09時の地上天気図
●8月17日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図
●8月29日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図
23日以降、日本の南で太平洋高気圧が強まり本州付近をおおうようになったため、気温の高い日が続いた。
更新日:2000/09/15
訂補日:2013/09/11
名前 日立市天気相談所