OBSERVATION観測
◇一時的に寒気の入った9月
上旬と下旬に低気圧の通過後の一時的な寒気の南下があり、気温の低くなる時がありました。それを除くと、暖かく湿った南西の風が吹きやすく、中旬を中心に気温が高くなりました。9月の平均気温は23.4℃となり、日立市役所観測開始以来3番目に高い気温となりました。去年の9月も気温が高く、月平均気温は24.6℃と過去最高を記録しており、2年続けて残暑の厳しい9月となりました。
ただ、日最高気温が30℃以上の日(真夏日)は4日と、去年の10日に比べて半分以下と少なくなりました。7月と8月は去年と同じかそれ以上の真夏日の日数があったのに対して、今年の9月は去年の9月のように気温の変動が大きくなく、極端に気温の高くなる日は少なくなりました。
9月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 23.4 21.5 月降水量(mm) 224.5 169.4 月日照時間(時間) 134.1 131.7
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 24.8 23.2 中旬 24.4 21.6 下旬 21.0 19.6
●9月の平均気温の記録
月平均気温(℃) 順位 年 平均気温 1 1999 24.6 2 1961 24.0 3 2000 23.4 4 1954 23.3 5 1994 23.2 平年
−
21.4
月平均最高気温(℃) 順位 年 最高気温 1 1999 28.9 2 2000 27.6 3 1994 27.3 4 1961 27.0 5 1998 26.9 平年
−
24.6
月平均最低気温(℃) 順位 年 最低気温 1 1999 21.1 2 1954 20.8 3 1961 20.4 4 1975 20.3 5 2000 20.2 平年
−
18.7
※順位は気温の高い方からで、1953年〜2000年の統計
●9月の日平均気温と日最高気温の推移(日立市役所)
1日から2日にかけて、台風第12号から変わった低気圧が日本海をを東へ進みました。2日は、この低気圧に向かって南西の風が吹き込んだため、関東地方ではフェーン現象が起こり、気温が上がりました。日立市役所では、2日の最高気温が36.3℃を記録しました。これまでの9月の最高気温は、昨年(1999年)の36.1℃で、昨年に引き続き最高気温の記録を更新しました。低気圧は、3日には北海道の東へ進みました。関東地方では3日の昼過ぎににかけて、低気圧に吹きこむ北西の風によりフェーン現象が起き気温が30℃を超えた所が多くなりました。日立市役所でも13時55分に最高気温33.0℃を記録し、2日連続して真夏日となりました。
地上の低気圧が北海道の東へ進んだ後も、上層には低気圧が残りました。この低気圧は北から寒気を引き込んで寒冷渦となり、南へ進んで4日の朝には関東地方の真上へ達しました。日立市役所では、この寒冷渦の影響で、3日16時10分過ぎから風向きが北東へ変わるとともに一気に気温が下がり、18時には21.8℃と10℃以上も気温が下がりました【市役所における9月2日から4日の10分値データ:エクセル2000ファイル461KB(下のグラフの元データ)】。その後、この寒冷渦はゆっくり南西へ進み、東海地方の南海上で停滞した後、8日になって関東地方の東海上へ抜けました。この影響で、日立市では8日まで曇りや雨のぐずついた天気が続きました。
この寒冷渦の影響で、日立市役所における気温は5日に日平均気温が20.0℃と最も低くなりました。その後は、気温が上がり始め、10日には日平均気温26.4℃と25℃を超え、9月下旬まで平年より気温の高い日が続きました。このため、月平均気温も昨年(1999年)、1961年に次いで3番目に高い気温になりました。
●9月の最高気温の記録と過去5年間の真夏日の日数
9月の最高気温(℃) 順位 年 月日 時刻 日最高気温 1 2000 09/02 14:45 36.3 2 1999 09/01 13:11 36.1 3 1958 09/07 - 34.2 4 1984 09/02 12:00 34.0 5 1990 09/12 13:06 33.9
真夏日の日数 年 6月 7月 8月 9月 10月 年合計 1996 1 11 6 1 0 19 1997 2 8 15 3 0 28 1998 2 6 8 5 1 22 1999 1 12 23 10 1 47 2000 2 17 22 4 0 45 ※順位は気温の高い方からで、1953年〜2000年の統計
●9月2日から4日にかけての気温の推移(日立市役所:10分値)
●9月2日から4日にかけての風向の推移(日立市役所:10分値)
●参考:9月2日と4日09時の気象衛星水蒸気画像
●参考:9月2日、3日、4日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図
※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。また、観測地点における左側の数値はその地点の500hPaの高さにおける気温を、右側の数値は同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。
更新日:2000/10/19
訂補日:2012/11/12
名前 日立市天気相談所