OBSERVATION観測
◇暖かい10月
日本の南で太平洋高気圧が勢力を強め、平年に比べて北及び西へ張り出す状態が続きました。このため、寒気の南下が北日本止まりとなることが多く、気温は平年を上回って推移しました。この結果、月月平均気温は17.2℃と平年より0.8℃高くなりました。一方、太平洋高気圧の北側に位置する秋雨前線は、高気圧の勢力が強かったことから本州南岸に前線が停滞することが多く、月の日照時間は142.7時間と平年の93%になりました。しかし、日本付近で低気圧の発達が弱かったことから、月降水量は116.0mm(平年比72%)と平年より少なくなりました。
10月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 17.2 16.4 月降水量(mm) 116.0 160.2 月日照時間(時間) 142.7 152.9
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 19.1 17.9 中旬 17.5 16.5 下旬 15.3 14.9
●10月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPa気温の推移
◇寒冷前線の通過と気温の変化
11日から12日にかけて、低気圧が日本海北部からオホーツク海へ進みました。この低気圧から南西へのびる前線は後面にやや強い寒気を伴っていたため、寒冷前線が通過した12日の午後、日立市では気温が一気に8℃近く下がりました。
日本海側から南下してきた寒冷前線は、12日の昼過ぎに関東地方を通過しました。関東地方には、前日から下層へ暖かい空気が流れ込んでいたことと、前線が通過する前は南寄りの風が吹いてよく晴れたことから各地で最高気温が25℃を超え、南部では29℃前後まで上がった所もありました。日立市役所でも、日が昇るとともに気温は急速に上昇して13時24分には最高気温26.4℃を記録しました。しかし、寒冷前線が通過した15時過ぎから風向が北北東に変わるとともに気温も下がり始め、16時過ぎには20℃を下回りました。翌日は、曇りの天気の影響もあって気温が上がらず、最高気温は18.7℃と、今年の秋になって初めて20℃を下回りました。
12日16時のアメダス観測による気温分布を見ると、関東地方の内陸部から南にかけて気温が25℃以上の地域が広がっています。そして、これを取り囲むように栃木県、群馬県の北部と茨城県の沿岸部から、気温が20℃以下の地域が広がり始めています。この後、18時には関東地方南部まで北東の風が入り、気温も25℃未満になりました。
●10月11日〜14日の気温の推移(1時間値)
●10月12日の日立市役所における気温と海面気圧及び露点温度の推移
●10月12日の日立市役所における風速と風向の推移
●参考:10月12日14時と16時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:10月12日と13日09時の地上天気図
●参考:10月12日と13日09時の気象衛星可視画像
更新日:2000/11/14
訂補日:2013/11/21
名前 日立市天気相談所