◇暖かくて気温の下がらなかった2月

　冬型の気圧配置は続かず、移動性高気圧におおわれ晴れて気温の高い日が多くなりました。ただ、上旬には南岸低気圧の影響で曇りや雨の日がありました。上旬の終わりから中旬前半にかけて一時的に強い寒気が南下し、冬型の気圧配置となり晴れて乾燥した天気となりました。中旬後半から下旬にかけては移動性高気圧におおわれ晴れる日が続きました。このため、月平均気温は6.3℃と平年より1.9℃高くなりました。一方、上旬に曇りや雨の日が多かったことから日照時間は175.5時間と平年並みになりました。それに対して、降水量は中旬から下旬にかけて雨がほとんど降らなかったことから、29.0mm（平年比47％）と平年より少なくなりました。

2月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温（℃） 6.3 4.4 月降水量（mm） 29.0 61.8 月日照時間（時間） 175.5 173.0

旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 6.3 3.9 中旬 4.8 4.6 下旬 8.3 4.8

　●2月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPa気温の推移

　●2月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移

　今年の2月は、冬型の気圧配置になる日が少なく寒気の流入が弱かったことから、冷え込む日がほとんどありませんでした。このため、日最低気温の月極値は-1.9℃と、2月の最低気温としては観測開始以来1979年に次いで高くなりました。

　1953年に観測を始めてからの2月の平均気温と月最低気温の変化を見ると、下のグラフのとおり1989年から月平均気温が5℃前後の暖かい年が続いています。その中でも、今年の2月は月平均気温が6.3℃と過去20年間で最も暖かい2月となりました。なお、1999年と2000年は月平均気温が3.8℃及び4.6℃と、5℃以下の比較的寒い年でした。

　一方、月最低気温をみると、ここ5年ほどは比較的低い年が続いていました。しかし、こちらも今年は過去20年間で最も高い年になりました。このように、冷え込む日が少なかったため、日最低気温が0℃未満になった冬日の日数は8日と、平年の半分近い日数しかありませんでした。

●2月の気温の記録（日立市役所）

月平均気温（℃） 順位 年 平均気温 1 1979 7.4 2 1959 6.9 3 1966 6.6 4 1960 6.4 5 2002 6.3 平年値 4.4

月最低気温（℃） 順位 年 最低気温 1 1979 -1.4 2 2002 -1.9 3 1993 -2.1 4 1985 -2.1 5 1987 -2.4

冬日の日数 順位 年 日数 1 1979 4 2 1990 6 3 1976 7 4 1973 7 5 2002 8 平年値 14.4

　※順位は気温の高い方、または日数の少ない方からで、1953年〜2002年の統計。

　●参考：2月の平均気温と最低気温の年推移（日立市役所）

◇低気圧通過後の北西の強風（18日から19日）

　17日に沿海州と本州南岸を東と東北東へ進んだ低気圧は、18日の朝には北海道南部と三陸沖へ進んで発達しました。このため、関東地方では18日9時頃から北西の風が強く吹き始めました。各地の最大瞬間風速は、栃木県宇都宮で16時09分に北西の風27.4m/s、埼玉県熊谷で13時27分に北北西の風23.8m/sなどでした。日立市役所でも、18日11時過ぎから北西の風が強まり、24時にかけて平均風速8m/s前後の北西の風が吹き続けました。特に、20時前後には風が一段と強く吹き、19時48分に最大瞬間風速19.3m/sの北西の風を記録しました。

　19日0時になると、風はいったん弱まりました。しかし、遅れていた上層の気圧の谷が通過した後、6時頃から再び北西の風が強まりました。各地の最大瞬間風速は、千葉県銚子で10時31分に西の風27.4m/s、群馬県前橋で11時54分に北西の風26.7m/s、茨城県つくばで12時34分に西北西の風24.3m/sなどでした。日立市役所でも、10時21分に西の風23.0m/sの最大瞬間風速を記録しました。低気圧が東へ遠ざかって行った夕方には、強い風は収まりました。

　●2月18日から19日にかけての気温と風速の推移（日立市役所：10分値）

　●2月18日と19日09時の地上天気図

　●2月18日と19日09時の500hPa面高層天気図

　●2月18日21時と19日09時の気象衛星赤外画像

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作成日：2002/03/19
訂補日：2013/06/21
訂補日：2015/03/02
名前 日立市天気相談所