OBSERVATION観測
◇寒暖の差が大きかった4月
4月も、日本付近を移動性高気圧と低気圧が交互に通過することが多く、天気は周期的に変化しました。低気圧が日本海から日本の北を通過することが多かったため、南風が入って上旬から中旬にかけては、気温の高くなる日がありました。しかし、月末には下層に寒気が入ってくるとともに、大きな移動性高気圧におおわれ、北東の冷たい風が入り、気温が下がりました。
中旬まで暖かい日が続いたため、月平均気温は13.5℃と、平年より1.5℃高くなりました(4月の月平均気温としては、日立市役所観測記録順位:第3位)。特に、15日から17日にかけては、シベリアと日本海を低気圧が発達しながら進んだため、南西の風が強く吹き、気温が上がりました。日最高気温は、15日が25.1℃、16日が25.4℃、17日が25.7℃と、3日連続して25℃を超え、4月としては非常に珍しい記録になりました。
4月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 13.5 12.0 月降水量(mm) 46.0 137.1 月日照時間(時間) 181.3 175.0
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 12.3 10.2 中旬 14.8 11.9 下旬 13.5 13.8
●4月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPa気温の推移
●4月の日立市役所における日最高気温と日照時間の推移
●4月の月平均気温
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※順位は気温の高い方からで、1953年〜2002年の統計
◇寒冷前線の通過(17日)
17日、北海道を進んだ低気圧から南に伸びる寒冷前線が本州上を東へ進みました。寒冷前線の南側に入った関東地方では、南部から茨城県の沿岸部にかけて強い南西の風が吹き、気温が上がりました。埼玉県熊谷では15時03分に最高気温26.8℃を記録するなど、埼玉県から茨城県を中心に最高気温が25℃を超えました。また、風は千葉県千葉で17時16分に最大瞬間風速29.8m/sの南西の風を記録するなど、神奈川県から茨城県に沿岸部にかけて週刊風速で20m/sを超える南西の風が吹きました。
日立市役所では15日の夕方から南西の風が吹くようになり、この影響で16日の夜から17日の朝にかけては気温が20℃前後で推移し、ほとんど下がりませんでした。17日8時前からは南西の風が徐々に強まり、14時29分には最大瞬間風速22.9m/sの南西の風を記録しました。また、南西の風が強まるとともに気温も上がっていき、12時06分には最高気温25.7℃を記録しました。
アメダスで気温と風の分布を見ると、17時には福島県の小名浜では風向が北西に変わり、気温も20℃を下回って、寒冷前線の後側に入ったことが分かります。一方、日立市役所では、まだ南西の風が強く、気温も23℃近くあります。この時の寒冷前線の動きは非常に遅く、18時50分過ぎになって、やっと日立市役所でも強い南西の風が収まり、風向も北東に変わって寒冷前線が通過しました。また、気温も一気に10℃近く下がりました【市役所における4月17日の10分間データ:テキストファイル11KB(下のグラフの元データ)】。この後、寒冷前線はゆっくりと南へ下がり、18日0時には房総半島南部まで南下しました。
●寒冷前線通過時の気象の変化
●寒冷前線通過時のアメダスによる気温と風の分布
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●参考:4月17日と18日09時の地上天気図
●参考:4月17日と18日09時の気象衛星可視画像
作成日:2002/04/11
訂補日:2014/04/28
名前 日立市天気相談所