OBSERVATION観測
◇冬の訪れが早かった11月
10月下旬から日本付近に強い寒気が南下し冬型の気圧配置となる日が多く、全国的に気温が低くなりました。特に、11月1 日と7 日から8 日にかけては日本付近を低気圧が発達しながら通過した後、真冬並の強い寒気が南下し、一時的に強い冬型の気圧配置になりました。このため、上旬の平均気温は9.9℃と平年よりも3.7℃低くなりました。月の半ばから下旬にかけては北高型の気圧配置となり、関東地方では雲の多い日が続いて気温も低くなりました。
この結果、月平均気温は10.0℃と1995年の11.5℃以来7年ぶりに平年の値11.8℃を下回りました。また、日最低気温の平均も平年より1.5℃低くなりました。一方、日最高気温の平均は日本海を進んだ低気圧に向かって暖かい南風の入る日があったため、ほほ平年並みになりました。上旬に冬型の気圧配置が続いたことと中旬以降は低気圧が日本海を進むことが多かったことから、月降水量は36.5mm(平年比45%)と平年より少なくなりました。月の日照時間は下旬に曇りの日が多かったことから152.7時間と平年の94%になりました。
11月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 10.0 11.8 月降水量(mm) 36.5 81.2 月日照時間(時間) 152.7 161.9
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 9.9 13.6 中旬 10.7 11.8 下旬 9.4 10.0
旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 58.9 53.5 中旬 45.3 51.8 下旬 48.5 56.6
10月から11月にかけての気温の下がり方を見ると、下のグラフのとおり10月下旬から11月上旬にかけて急に気温が下がったことが分かります。11月に入って初めて日平均気温が10℃を下回った日は、7日間の移動平均で11月6日、15日間の移動平均で11月16日でした。平年の値は、7日間の移動平均で11月26日、15日間の移動平均でも11月26日で、平年よりも約20日早く気温が低くなったことになります。なお、過去5年間の7日間移動平均気温が10℃未満となった日は、1998年の11月20日から2001年の12月4日となっており、これらに比べて半月近くきおんの下がり方が早くなりました。
●10月から11月にかけての日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPa気温の推移
●10月から11月にかけての日立市役における日平均気温の推移
※過去5年間の比較は、気温の変化を比較しやすいように7日間の移動平均をとって表しています。
●11月の月平均気温
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※順位は気温の低い方からで、1953年〜2002年の統計
1日から6日にかけて日本の上層に強い寒気が入り、冬型の気圧配置が強まりました。特に、3日から5日にかけては関東地方の上層約5500mの気温が-30℃近くまで下がったため、関東地方北部を中心に昼過ぎから夕方にかけて毎日にわか雨がありました。5日には、日立市に非常に小さな雨雲がかかり、夕日がさしている中でにわか雨が降ったため16時過ぎから約20分間、鮮やかな虹が見られました。去年の11月12日にも発達した低気圧により同じような虹が見られており、1年ぶりの鮮やかな虹でした。
●2002年11月5日の虹の様子
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●2002年11月05日16時の気象衛星可視画像と水蒸気画像
●11月5日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図
作成日:2002/12/18
訂補日:2013/07/11
名前 日立市天気相談所