日立市天気相談所

OBSERVATION観測

4月18日、上層の寒気により一時的に激しい雨が降る

 17日から18日にかけて、上層に寒気を伴った寒冷渦が、中国東北区から日本海へ進んできました。寒冷渦は高さ5500m付近で-30℃の寒気を伴っており、寒冷渦の東側で雨雲が広がりました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ5500m付近(500hPa面)の気温は17日21時の-11.8℃から18日09時には-21.8℃まで下がりました。寒冷渦が東進するにつれて、寒冷渦の南側に沿って西から前線が伸び、17日の昼前には前線上の四国の南に低気圧が発生して東北東へ進み始めました。その後、低気圧は18日の未明には関東地方を通過して、朝には三陸沖へ進みました。

 低気圧が関東地方を北上するにつれて、寒冷渦の寒気と低気圧に伴う湿った空気がぶつかり、低気圧の北側で雨雲が発達しました。このため、低気圧の中心の北側に入った茨城県では、18日未明に一時的に1時間降水量が20mmを超える強い雨が降りました。茨城県内の1時間最大降水量は、日立会瀬で37.0mm(01時53分)、北茨城で32.0mm(01時57分)、水戸で32.0mm(01時38分)などでした。

 日立市内では、発達した雨雲が通過した沿岸部で、1時間降水量40mmを超える激しい雨が降りました。日立市役所では、01時53分までの1時間に41.5mmの降水量を記録しました。これは、2019年9月4日に記録した51.0mm以来の多い記録です。また、十王交流センターでは01時56分までの1時間に48.0mmの降水量を記録し、2008年3月の観測開始以来第4位の多い記録になりました。雨雲の移動は速く、2時過ぎには雨雲は東海上へ抜けて晴れてきました。

 ●4月17日〜18日の降水量(mm)

観測地点
降水量

最大1時間降水量

最大10分間降水量

降水量
日時

降水量
日時
日立市役所 57.5 41.5 18日01時53分 12.0 18日01時36分
十王交流センター 69.5 48.0 18日01時56分 14.5 18日01時41分
北部消防署 57.5 41.0 18日01時56分 11.5 18日01時29分
本山 71.0 31.5 18日01時37分 9.5 18日01時29分
西部出張所 33.5 14.5 18日01時44分 5.0 18日01時17分
諏訪広場 52.5 37.5 18日01時47分 12.0 18日01時33分
南部支所 37.0 25.1 18日01時41q分 8.5 18日01時34分
日立会瀬 51.5 37.0 18日01時53分 11.0 18日01時36分
水戸(金町) 45.0 32.0 18日01時38分 14.5 18日01時15分

 ※降水量は、17日16時〜18日03時までの合計。

 ●十王交流センターにおける1時間降水量(mm)の記録

順位 降水量 年月日 時 刻 備    考
1 61.5 2019/10/25 17時53分 上層に寒気を伴った低気圧
2 55.0 2014/09/06 00時32分 寒冷渦に伴う雷雨
3 48.5 2014/02/15 11時00分 発達した南岸低気圧
4 48.0 2021/04/18 01時56分 寒冷渦と南岸低気圧
5 42.5 2015/09/17 22時50分 寒冷渦に伴う雷雨

 ※2008年3月20日〜2021年4月20日の統計で、順位は降水量の多い方から

 ●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)

高さ(気圧) 16日
09時
16日
21時
17日
09時
17日
21時
18日
09時
18日
21時
19日
09時
5500m(500hPa) -19.9 -17.2 -15.6 -11.8 -21.8 -24.0 -21.3
1500m(850hPa) 0.5 2.5 3.7 6.4 5.6 1.1 1.1

 ●4月17日〜18の降水量の推移(日立市役所と十王交流センター:10分値)

 ●参考:4月18日00時30分と01時30分の降水レーダー図

 ●参考:4月18日01時と02時のアメダスによる降水量の分布

 ●参考:4月18日01時の気象衛星可視画像と水蒸気画像

 ●参考:4月18日03時の地上天気図と17日21時の500hPa面高層天気図

Amagai Daizo


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作成日:2021/04/20
日立市役所 天気相談所