OBSERVATION観測
5月9日、低気圧が日本海を東北東へ進みました。この低気圧は、10日にはオホーツク海へ進み、南へのびる寒冷前線も関東地方の東へ進みました。関東地方では、9日は低気圧に向かう南西の風が吹いてフェーン現象が起き、気温が上がりました。10日は西の風に変わったものの、フェーン現象が起きて再び気温が上がりました。ただ、10日は下層へやや冷たい空気が入ってきたため、9日ほど気温は上がりませんでした。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近（850hPa面）の気温は9日09時の12.8℃に対して、10日09時は7.6℃と平年より1.1℃低くなり、冷たい空気が入ってきたことを示しています。
9日の関東地方各地の最高気温は、群馬県上里美で30.3℃、東京都練馬で29.8℃、埼玉県熊谷で29.7℃など、86観測地点の内58地点で最高気温が25℃以上の夏日となりました。茨城県内でも、9日の最高気温は笠間で29.2℃、水戸で28.7℃、古河で28.4℃を記録するなど、14観測点の内北茨城と日立会瀬を除く12地点で最高気温が25℃を超えました。一方、10日の関東地方各地の最高気温は、栃木県佐野、群馬県上里美及び埼玉県熊谷で27.7℃など、86観測地点の内36地点で最高気温が25℃以上の夏日となりました。茨城県内の10日の最高気温は、古河で27.4℃、土浦で26.5℃、下館で26.1℃を記録するなど、14観測点の内北茨城、大子、常陸大宮及び鉾田を除く10地点で最高気温が25℃を超えました。なお、9日よりも気温が高くなったのは、北茨城と日立会瀬の2地点だけでした。
日立市役所における10日の気温の推移を見ると、日の出とともに気温が上がり、10時前には気温が22℃を超えました。その後、風向が南西から南東へ、そして北西から北東、西と変わるたびに気温は変動し、14時27分には日最高気温25.1℃を記録しました。これは、今年初めての夏日（最高気温25℃以上の日）で、夏日初日としては平年（5月9日）より1日遅く、昨年よりも8日遅くなりました。15時20分過ぎに風向が南に変わると、気温は4℃近く下がりました。
日立市内の気温を見ると、十王交流センターで最高気温が25.6℃を記録した以外は、最高気温は25℃未満でした。また、10日に今年の最高気温を記録したのは、十王交流センター、北消防署、日立市役所、諏訪広場の4地点で、地形の影響によりフェーン現象の起らなかった本山、西部支所、南部支所は、それほど気温が上がりませんでした。
| ●今年の最高気温（℃）の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●夏日初日の記録（日立市役所）
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※順位は、1961年から2020年の統計。
●参考：つくばにおける高層観測の気温（℃）
| 高さ（気圧） | 07日 09時 |
7日 21時 |
08日 09時 |
08日 21時 |
09日 09時 |
09日 21時 |
10日 09時 |
10日 21時 |
11日 09時 |
| 5500m(500hPa) | -10.9 | -8.6 | -13.4 | -11.4 | -12.8 | -14.0 | -13.3 | -13.8 | -15.7 |
| 1500m(850hPa) | 11.1 | 7.7 | 13.1 | 16.3 | 12.8 | 10.1 | 7.6 | 8.2 | 4.6 |
●5月9日から10日の気温の推移（10分値）
●5月10日07時から18時気温、湿度、風向及び風速の推移（日立市役所：1分値）
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●参考：5月10日12時の地上天気図と14時の気象衛星可視画像
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Amagai Daizo
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