OBSERVATION観測
17日に低気圧が本州南岸から北海道の東へ進んだ後、冬型の気圧配置になるとともに日本付近へ強い寒気が流れ込んできました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、17日09時の+7.7℃から18日09時には-8.7℃まで下がり、強い寒気が流れ込んできたことを示しています。
17日の関東地方は、低気圧の接近に伴って南から暖気が入ったため、雨が降ったにもかかわらず最高気温は15℃前後まで上がりました。低気圧が三陸沖へ進んだ夕方になると、北部から北西の風に変わってくるとともに寒気が流れ込んできて気温が下がり出し、24時には南部を除いて気温は5℃未満となりました。その後も気温は下がり続けて、18日の朝には沿岸部を除いて0℃未満となりました。18日の日中も気温は上がらず、各地の最高気温は10℃未満と最も寒い時期を下回りました。夜には朝よりも気温が低くなり、南部を除いて0℃未満の気温となるとともに、今期の最低気温を記録した所が多くなりました。18日の関東地方各地の最低気温は、群馬県田代で-10.5℃、草津で-10.3℃、沼田で-10.1℃など、86地点の内58地点で最低気温が0℃未満となりました。また、茨城県内の最低気温は、大子で-4.5℃、北茨城で-4.3℃、笠間で-4.1℃を記録するなど、14観測地点の内、古河、下妻、土浦及び鹿嶋を除く10地点で最低気温が0℃未満となりました。また、7地点で今季の最低気温となりました。
日立市役所における気温の推移をみると、17日は低気圧に伴う暖気の影響で未明から夕方にかけて気温は10℃前後で推移しました。21時過ぎにに風向が北西に変わるとともに、気温は一気に6℃近く下がり、その後も18日の朝にかけて気温は下がり続けて、06時47分には-0.2℃を記録しました。18日の日中は5.4℃まで気温が上がったものの夜は一段と冷え込みが強まり、23時14分に日最低気温-1.0℃を記録しました。これは、日立市役所における今季初めての冬日(日最低気温0℃未満の日)で、昨年(2020年)よりも3日遅く、平年(12月17日)よりも1日遅い記録となっています。
市内の他の地点も、全地点で最低気温が0℃未満となりました。また、すべての地点で今季最も低い気温となりました。本山では最低気温が-4.1℃まで下がり、日立市内で最も低い気温となりました。これは、茨城県内のアメダス観測地点と比較しても、大子、北茨城に次いで低い気温でした。
●今年の秋に入ってからの最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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※今年の8月1日以降、12月19日現在の最低気温の低い方からの記録。
●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 15日 09時 |
15日 21時 |
16日 09時 |
16日 21時 |
17日 09時 |
17日 21時 |
18日 09時 |
18日 21時 |
19日 09時 |
5500m(500hPa) | -21.2 | -22.6 | -20.5 | -18.9 | -16.3 | -25.3 | -26.7 | -28.7 | -28.3 |
1500m(850hPa) | 1.9 | 1.5 | 1.4 | 5.7 | 7.7 | 0.6 | -8.7 | -7.0 | -4.1 |
●12月17日から18日にかけての気温の推移(10分値)
●12月17日から18日にかけての風速と風向の推移(日立市役所:10分値)
●参考:12月17日と18日24時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:12月17日と18日09時の地上天気図
●参考:12月18日09時の850hPa面と500hPa面高層天気図
Amagai Daizo