OBSERVATION観測
◇梅雨空が戻り大気が不安定な日も多くなった
7月はじめと下旬は太平洋高気圧に覆われたものの、湿った空気が入りやすいため大気の状態も不安定となりました。梅雨明けは平年の日より遅い7月23日となりました。月平均気温は25.3℃と平年よりかなり高く、20日には猛暑日も観測しました。
雨の日が多くなったため、月合計日照時間は131・8時間と平年よりやや少なくなりましたが、降水量は多くならず、91ミリと平年の58%にとどまりました。
上旬
3日にかけて太平洋高気圧に覆われ真夏日になる。4日から太平洋高気圧が弱まり、九州に台風第4号が上陸、 弱まりながら本州の南岸を進んだため、海からの湿った空気が入りやすく、雨が降る日が多く、気温も平年並みに近づいた。
台風4号は沖縄付近を進み、東シナ海を北上、あまり発達せず、長崎県に上陸。 その後温帯低気圧に変わり、本州南岸を進み、関東の南東海上で停滞。日立には海からの湿った空気が入る。その後ゆっくりと北上。
中旬
台風から変わった低気圧が北日本へ進んだ後も太平洋高気圧の勢力は弱く、オホーツク海高気圧の勢力が強まった。
寒冷渦が大陸から日本海に進み、動きが遅くなり、上層の気圧の谷や寒気が入る日が多くなって大気の状態が不安定となった。
気温はあまり上がらず、梅雨の時期の天気となる。
全国的には15日頃から、大気が非常に不安定で大雨となるところもあり、18~19日は線状降水帯が発生したところもあったが、 日立市は雨の日数は多いが降水量は少なく、15日ににわか雨で10ミリを超えた以外は数ミリの雨量しかなかった。
20日は、低気圧が三陸沖へ進み、緩やかに高気圧に覆われて、西寄りの風となったため、市役所、十王で猛暑日を観測した。
下旬
太平洋高気圧が張り出し、緩やかに高気圧に覆われたが、高気圧の縁をまわるように湿った空気が入りやすく、大気が不安定となった。
晴れ間が出て、気温も高くなる日が多くなったが、にわか雨が降る日も多くなった。
29日、30日は朝を中心に海からの濃い霧がかかり、市役所でも朝には視程が50m前後となった時があった。
●7月の気象観測値
●7月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移
●7月の日立市役所における日最高気温と日照時間の推移
◇7月の日立市内の気温と降水量
7月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は日立市役所が最も高くなっています。次いで西部支所、南部支所となっており、25℃を超えています。市内7地点の平均気温は24.6℃で、水戸の月平均気温26.1℃よりも1.5℃低くなりました。
月の降水量の市内平均は102.7mmで、最も降水量が多かった本山の144.0mmに対して、最も少なかった南部支所は71.0mmと2倍の差がありました。また、市内7地点の平均降水量102.7mmに対して、水戸の月降水量は132.0mmと30mm近く少なくなりました。
●日立市内と水戸の7月の気温と降水量の観測結果