OBSERVATION観測
◇気温は平年より高く、降水量も多くなる
9月は、大陸からの高気圧に北から覆われることが多く、湿った空気も入り大気が不安定な時もありました。
台風に刺激された前線などの影響もあり、降水量は191ミリと月ごとの降水量では今年初めて平年より多くなりました。
月平均気温は,23.2℃と平年より高く、月合計の日照時間は平年より多い146.9時間でした。
上旬
前線が南下し、北から緩やかに高気圧に覆われ、地上では海からの湿った空気が入るが、3日のはじめにかけて、前線の上を南
からの湿った空気が入り、大気が不安定となる。3日後半からは海からの湿った空気のみになり、晴れ間が出るときもあるが一時的で雲が広がり、時々弱い雨が降った。台風第11号は東シナ海を北上し5から6日には朝鮮半島と対馬の間を通り日本海に進み、6日21時には温帯低気圧に変わり7日にはサハリンの北へ進んだ。 台風から変わった低気圧からのびる弱い前線が通過し、9日にかけて関東地方は気圧の谷となった。南からの湿った空気と、海からの湿った空気が入りやすく、7から8日にかけて大気が不安定。
中旬
大陸から高気圧が張り出し、緩やかに高気圧に覆われるが、海からの湿った空気も入りやすい日が多くなった。雲が厚くなり雨が降る日も多くなったが、晴れ間が出る日も多く気温は高めに推移した。終わりには台風第14号が九州に上陸し日本海側を通り新潟県から宮城県へ進んだ。910hPaまで急発達し、鹿児島県への上陸時には935hPa。鹿児島県に台風による特別警報が本州で初めて発表される。宮崎県は大雨の特別警報が発表される。
下旬
台風が通過後大陸からの高気圧に覆われ、気温も低くなったが、台風第15号が小笠原付近から北上し、再び気温も高くなった。 台風の北にある前線により雨が降り、日立市でも比較的小さな雨雲が移動し、短い時間で雨が強まった。台風第15号の北の本州上には弱い前線があり、台風は上陸せずに東海道沖で温帯低気圧に変わったが、南から暖かく湿った空気を運び、前線を刺激したため、東海地方を中心に大雨となった。茨城県内でも八溝山で200ミリ近い降水となったが、その他の地点では100ミリ前後の雨だった。久慈川も増水し、下野宮観測所では氾濫危険水位まで達したが、榊橋観測所では水防団待機水位を上回った程度であった。 台風14号のすぐ後であったため土壌雨量指数が高い状態で台風15号の雨が降り、大子や常陸大宮では土砂災害警戒情報が発表され、日立市でも24日に2回大雨警報が発表された(なお日立市内の土壌雨量指数は、実況では警報基準に達した地点はなかった)。
●9月の気象観測値
●9月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移
●9月の日立市役所における日最高気温と日照時間の推移
9月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は日立市役所が最も高くなっています。市内7地点の平均気温は22.3℃で、水戸の月平均気温23.2℃よりも0.9℃低くなりました。
月の降水量の市内平均は215.6mmで、最も降水量が多かった本山の326.0mmに対して、最も少なかった南部支所は157.0mmと2倍の差がありました。また、市内7地点の平均降水量215.6mmに対して、水戸の月降水量は215.5mmとほぼ同じとなりました。
●日立市内と水戸の9月の気温と降水量の観測結果