OBSERVATION観測
◇線状降水帯がかかり、被害が発生する
9月は、前半は東から高気圧に覆われましたが、張り出しが弱く、南から湿った空気が入り、4日の週は大雨が降る日が多くなりました。
中旬からは晴れの日も多くなりましたが、前線の影響で。雨が降る日もありました。
月平均気温は25.8℃と平年よりかなり高く、最高気温と最低気温の月平均とともに9月として最も高くなりました。
真夏日の日数は12日、最低気温25℃以上の日数は5日とともに9月として最も多くなりました。
前半は比較的小さい発達した雨雲が通過する日が多く、4日、6日、8日は市内で大雨となり、特に8日は線状降水帯が発生し
日降水量、日最大1時間降水量ともに観測史上最大を記録しました。
月合計降水量は430ミリと平年の245%と9月として最も多く、月合計日照時間は、161.0時間と平年の114%でした。
上旬
東から高気圧に覆われる気圧配置が続いたが、高気圧の張り出しは強弱があり、台風や湿った空気が入りやすくなった。
はじめ台風第12号が小笠原を通り4日には伊豆諸島付近で熱帯低気圧になったが、湿った空気が入り大気の状態が不安定で、
4日午前中は市内で激しい雨が降り山間部では150ミリ前後の総降水量を記録した。
熱帯低気圧は西日本の南岸で停滞し、6日も短い時間に雨となり、西部では非常に激しい雨が降った。
南の海上に停滞していた熱帯低気圧は5日21時に台風第13号となり8日には東海道沖で動きが遅くなり熱帯低気圧となったが、
千葉県から福島県にかけて線状降水帯が発生し、猛烈な雨を観測した。
市役所での1時間最大降水量(97.0ミリ)、日降水量(268.0ミリ)は過去最大を記録し、2回記録的短時間大雨情報が発表されるなど
日立市の沿岸部で大雨となり、中小河川があふれ、低地が浸水し、家屋の浸水、土砂崩れが多発した。
日立と常陸太田を結ぶ3本の県道や常磐自動車道が土砂災害により通行止めとなり、市役所も一時停電し、災害対策本部を消防拠点施設に一時移動した。
中旬
10日からは高気圧に緩やかに覆われて、雨雲が進む時もあったが、晴れの天気となった。
15日前後は秋雨前線が関東地方付近に停滞したいが活動は弱く、その後前線は北上し、気温も高くなった。
降水量は少ないが、気温は高く、最低気温25℃以上の日を2日観測し、真夏日も6日観測した。
下旬
21日頃からは再び秋雨前線が関東の南まで南下し、気温は平年近くまで低くなる日もあったが、末にかけて再び前線が北上し、気温は高い状態が続いた。
降水量はあまり多くなかったが、雲が広がる日が多かった。
●9月の気象観測値
●9月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移
●9月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移
9月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は日立市役所と南部支所が最も高くなっています。市内7地点の平均気温は24.8℃で、水戸の月平均気温25.9℃より低くなりました。
月の降水量の市内平均は418.9mmで、最も降水量が多かったのは十王交流センターの469.5mm。最も少なかったのは西部支所の355.5mmと1.32倍の差であった(なお、本山観測所は欠測がある)。また、市内7地点の平均降水量418.9mmに対して、水戸の月降水量は257.5mmとかなり少なくなりました。
●日立市内と水戸の9月の気温と降水量の観測結果