日立市天気相談所

OBSERVATION観測

◇雨が少なかった6月

 上旬から中旬にかけては、移動性高気圧におおわれて晴れる日が多くなりました。下旬に入ると本州南岸に前線が停滞するようになるとともに、動きの遅い寒冷渦や気圧の谷の影響で天気がぐずつきました。この結果、月の日照時間は144.8時間(平年比128%)と、平年より多くなりました。晴れる日が多かったことと、本州付近で低気圧が発達することが少なく大雨となることがなかったことから、月の降水量は90.0mm(平年比55%)と平年より少なくなりました。上旬後半から中旬にかけては寒気におおわれ、気温は平年より低くなりました。しかし、下旬に入ると南から暖気が入るようになり、気温は平年を上回るようになりました。この結果、月平均気温は19.6℃(平年比+0.4℃)と、ほぼ平年並みになりました。

6月の気象観測値
観測要素 観測値 平年値
月平均気温(℃) 19.6 19.2
月降水量(mm) 90.0 165.1
月日照時間(時間) 144.8 113.3
旬平均気温(℃)
順位 観測値 平年値
上旬 18.6 18.3
中旬 18.3 19.3
下旬 21.9 20.1
旬日照時間(時間)
順位 観測値 平年値
上旬 60.0 48.5
中旬 55.1 36.3
下旬 29.7 28.5

 ●6月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

2017年6月の日立市役所における日平均気温の推移 2017年6月のつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

 ●6月の日立市役所における日最高気温と日照時間の推移

2017年6月の日立市役所における日最高気温の推移 2017年6月の日立市役所における日照時間の推移

◇6月の日立市内の気温と降水量

 6月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高くなっています。次いで、最も北に位置する十王交流センターが市役所とほぼ同じ気温でした。一方、山間部にある本山は気温の低い方になっています。市内7地点の平均気温は18.1℃で、水戸の月平均気温20.2℃よりも2.1℃低くなりました。また、水戸と日立市役所の気温差は5月とほぼ同じでした。なお、日立市内7か所の観測地点における平均気温は、5月に引き続いて全地点とも水戸より低くなりました。

 一方、月の降水量の市内平均は90.3mmで、5月の平均降水量83.1mmとあまり変わりませんでした。観測地点の間の差は5月より大きくなり、最も降水量の多かった本山の120.0mmに対して、最も少なかった南部支所は59.5mmと2.0倍の差でした。また、市内7地点の平均降水量90.3mmに対して、水戸の月降水量は55.5mmと39%少なくなりました。

 ●6月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果

6月の気温(℃)の記録
観測地点 平均
気温
最高気温 最低気温
気温 日時 気温 日時
日立市役所 19.6 27.9 22 13:26 11.8 06 04:44
十王交流センター 19.2 28.6 22 13:12 10.3 06 04:34
北部消防署 17.7 26.7 30 16:13 9.6 06 04:27
本山(中学校跡) 16.3 26.3 29 14:42 7.0 04 04:38
西部支所 17.6 27.4 23 13:42 6.3 05 04:28
諏訪広場 17.2 25.7 22 14:06 8.8 06 04:39
南部支所 18.9 26.7 10 15:07 10.5 11 04:56
上記7地点の平均 18.1 -

-

-

-

日立会瀬 19.5 27.4 30 15:54 12.1 03 04:33
水戸(金町) 20.2 29.9 10 14:12 11.6 06 04:39
6月の降水量(mm)の記録
観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量
降水量 降水量 日時
日立市役所 90.0 44.5 21 19.5 02 06:28
十王交流センター 119.0 63.5 21 16.0 21 16:50
北部消防署 77.0 34.5 21 13.5 02 06:28
本山(中学校跡) 120.0 84.0 21 25.5 21 16:44
西部支所 76.0 45.5 21 12.5 21 16:33
諏訪広場 90.5 45.0 21 25.5 02 06:25
南部支所 59.5 30.5 21 14.5 02 06:30
上記7地点の平均 90.3 -

-

- -
日立会瀬 95.0 39.5 21 26.0 02 06:26
水戸(金町) 55.5 29.5 21 6.5 21 16:07

 ※日立会瀬と水戸(金町)は気象庁の観測地点。


◇雨の少なかった6月

 今年の6月は、偏西風が日本付近で南へ蛇行し、梅雨前線が日本の南に海上に停滞することが多くなりました。このため、本州付近では上旬から中旬までは梅雨前線の影響を受けにくく、移動性高気圧におおわれて晴れる日が多くなりました。下旬に入ると、動きの遅い寒冷渦や気圧の谷の影響で天気がぐずつきました。しかし、前線の東側では活動があまり活発にならず、日立市役所では6月下旬に入っても21日に本州上を通過して低気圧に伴って44.5mmの降水量があった以外は、10mm以上のまとまった雨は降りませんでした。

 このため、6月の降水量は90.0mmと6月の降水量としては観測開始来第5位の少ない記録になりました。また、下旬を中心に天気のぐずつく日があったものの、日降水量1mm以上の日数は7日と、6月の降水日数としては1960年6月の6日に次いで観測開始以来2番目に少ない記録でした。 

 今年の6月の梅雨前線の様子を、地上天気図と気象衛星の雲画像から比べてみました。10日の天気図を見ると、日本海北部を低気圧が東へ進んでいます。この低気圧は上層の寒冷渦に伴うもので、偏西風は日本付近で大きく南へ蛇行しています。このため、梅雨前線は沖縄から華中にのび、日本の南では消えています。日立市役所では、1日と7日、8日を除き、2日から11日かけて晴れの天気が続きました。

 17日の天気図を見ると、移動性高気圧が日本海にあって本州付近をおおっており、梅雨前線は日本の南海上、北緯30度線より南に停滞しています。上旬に比べて梅雨前線の雲は、東西に広がるとともにはっきりとしてきました。しかし、陸地からは離れて停滞したため、日立市では晴れる日が多くなりました。

 21日に低気圧が本州南岸を東へ進んだ後、上層の大気の流れが変わり、梅雨前線は本州付近まで北上してきました。27日の天気図を見ると、梅雨前線は本州南岸まで北上し、関東地方から九州地方にかけて帯状に雲がのびています。このため、日立市役所では21日から30日にかけて、23日を除いて曇りや雨の日が続きました。

 ●6月の降水量の記録(日立市役所)

月降水量(mm)
順位 月降水量
1 2005 50.0
2 1979 79.0
3 1960 81.4
4 1996 88.5
5 2017 90.0
平年値 165.1
降水日数
順位 日数
1 1960 6
2 2017 7
2 2005 7
4 2012 8
4 1987 8
4 1986 8
平年値 12.3

 ※順位は値の少ない方からで、1953年から2017年の統計。

 ●6月の全国の降水量の平年比分布

 東日本から西日本では、上旬から中旬にかけて降水量が少なくなった。一方、北日本では上旬を中心に低気圧の影響で降水量が多くなり、6月の降水量の多い方から1位の記録を更新したところがあった。

2017年6月の全国の降水量の平年比分布(気象庁資料)

 ※気象庁の「6月の天候」から

 ●6月の全国の日照時間の平年比分布

 関東地方から東海地方でかなり多く、長野県諏訪では222.9時間(平年比139%)と6 月の日照 時間の多い方から1 位の値を更新した。

2017年6月の全国の日照時間の平年比分布(気象庁資料)

 ※気象庁の「6月の天候」から

 ●参考:2016年6月10日09時の地上天気図と10時の気象衛星可視画像

2017年6月10日09時の地上天気図 2017年6月10日10時の気象衛星可視画像

 ●参考:2016年6月17日09時の地上天気図と10時の気象衛星可視画像

2017年6月17日10時の気象衛星可視画像

 ●参考:2016年6月27日09時の地上天気図と10時の気象衛星可視画像

2017年6月27日10時の気象衛星可視画像

y4.gif (1703 バイト)【観測日誌2017年へ】 home_h2.gif (1545 バイト)【ホームページへ】

作成日 2017/07/19
名前 日立市天気相談所