◇気温の低い日が続いた師走

　上旬は高気圧におおわれ、晴れる日が多くなりました。11日に日本海を低気圧が発達しながら東北東へ進んだ後、日本付近では偏西風が南に蛇行するようになり、強い寒気が流れ込んで冬型の気圧配置となる日が多くなりました。このため、晴れて乾燥した天気が続くようになりました。寒気が断続的に流れ込んだことから、気温は平年より低い日が多くなりました。この結果、月平均気温は6.1℃と平年より1.2℃と低くなり、2014年12月の平均気温6.1℃以来3年ぶりに平年より気温の低い師走となりました。冬型の気圧配置となることが多かったことから、月の降水量は20.5mm（平年比47％）と平年より少なくなりました。一方、月の日照時間は190.6時間（平年比103％）と平年よりわずかに多くなりました。

12月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温（℃） 6.1 7.3 月降水量（mm） 20.5 43.3 月日照時間（時間） 190.6 184.7

旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 7.1 8.7 中旬 6.1 7.1 下旬 5.3 6.2

旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 55.8 56.5 中旬 66.0 59.3 下旬 68.8 68.9

　●12月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

　●12月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移

　最初に述べたように、今年の12月は中旬以降冬型の気圧配置になることが多く、晴れて乾燥した天気が続きました。このため、月降水量は同じように冬型の気圧配置が続いた2013年12月の23.0mmと並んで少なくなりました。また、月平均湿度も53％と同じように低くなりました。ただ、2013年12月は下層への寒気の入り方が弱かったことから月平均気温は平年並みで、今年よりも1℃程高くなっています。

　●過去5年間の12月の気温と日照時間、降水量、湿度の記録

◇12月の日立市内の気温と降水量

　12月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高く、市内平均より2.2℃高くなりました。次いで気温が高かったのは最も北に位置する十王交流センターで、市役所より0.7℃低くなりました。一方、山間部にある西部支所と本山は気温の低い方になっています。市内7地点の平均気温は3.9℃で、11月より5.3℃低くなりました。また、水戸の月平均気温は4.6℃と日立市の平均よりも0.7℃高く、11月に引き続いて水戸の気温は日立市内平均よりも高くなっています。なお、日立市内で水戸よりも平均気温が高かったのは、日立市役所と十王交流センターの2か所でした。

　一方、月の降水量の市内平均は16.4mmで、11月の平均降水量29.9mmの約半分でした。観測地点の間の差は11月よりも小さくなり、最も降水量の多かった日立市役所の20.5mmに対して、最も少なかった諏訪広場は13.5mmと1.5倍の差でした。また、市内7地点の平均降水量16.4mmに対して、水戸の月降水量は20.5mmと25％ほど多くなりました。

　●12月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果

12月の気温（℃）の記録 観測地点 平均 気温 最高気温 最低気温 気温 日時 気温 日時 日立市役所 6.1 16.9 11 13:11 -2.0 29 02:57 十王交流センター 5.4 16.4 11 12:16 -4.0 28 06:21 北部消防署 4.6 15.7 11 12:13 -2.8 28 07:44 本山（中学校跡） 2.1 13.1 11 12:07 -5.9 28 06:36 西部支所 1.2 13.8 11 12:51 -7.4 28 07:13 諏訪広場 3.8 13.8 11 14:45 -4.2 28 06:48 南部支所 3.9 15.7 11 12:51 -5.4 28 06:34 上記7地点の平均 3.9 - - - - 日立会瀬 6.3 16.4 11 13:24 -2.3 29 02:24 水戸（金町） 4.6 17.2 11 13:48 -4.9 28 07:09

12月の降水量（mm）の記録 観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量 降水量 日 降水量 日時 日立市役所 20.5 8.0 25 3.5 04 19:24 十王交流センター 17.5 9.5 25 　3.0 25 05:36 北部消防署 14.0 6.0 25 3.0 04 19:44 本山（中学校跡） 18.0 11.5 25 5.0 25 06:36 西部支所 17.0 10.0 25 4.0 25 06:32 諏訪広場 13.5 7.0 25 2.0 25 06:36 南部支所 14.5 6.5 25 2.0 25 06:43 上記7地点の平均 16.4 - - - - 日立会瀬 23.5 8.5 25 4.0 04 19:07 水戸（金町） 20.5 8.5 25 3.0 25 04:50

　※本山は、17日23時から22日10時まで機器の故障により欠測。

　※日立会瀬と水戸（金町）は気象庁の観測地点。

◇強い寒気が入りにわか雪が降る（12月27日）

　24日の夜から25日の朝にかけて、日本海と本州南岸を低気圧が発達しながら東北東へ進みました。25日の夜には、二つの低気圧はオホーツク海で一つにまとまって猛烈に発達しました。この影響で、日本付近で偏西風が南へ大きく蛇行するとともに強い寒気を伴った寒冷渦が南下してきて、29日にかけてオホーツク海で停滞しました。

　関東地方には26日の夜から寒気が入り始め、北部から気温が下がっていきました。この強い寒気の影響で、日立市でも27日の朝には吹き出しによるしぐれ雲が西側に現れ始め、しだいに東へ広がってきました。11時には空一面にしぐれ雲が広がり、12時から13時30分過ぎにかけては時々にわか雪がちらつきました。これは、今季初めての雪で、昨年（2016年11月24日）よりも33日遅い記録でした。なお、水戸でも10時35分から11時30分にかけて、同じようににわか雪がちらつきました。

　日立市役所における気温の推移をみると、26日の21時頃から一段と気温が低くなり、27日05時57分には-0.3℃まで下がりました。日が昇った7時過ぎから気温は上がり始めましたが、雲が広がってきた10時頃からは上下に変動を繰り返すようになりました。その後も気温はほとんど上がらず、雲が少なくなった12時55分に最高気温5.5℃を記録したものの、前日に比べて日中の気温は6℃近く低くなりました。

　日立市役所以外の市内の他の地点も、同じような気温の変化を示しました。ただ、西寄りの風の影響で気温の下がりにくかった日立市役所よりも気温は低くなり、日立市役所以北の沿岸部の地点を除いて日平均気温は0℃未満となりました。特に、標高の高い本山では最高気温が0.6℃までしか上がらず、日中も気温は-1〜0℃で推移しました。

　●12月27日の気温（℃）

　※日立会瀬、水戸（金町）、つくばは気象庁の観測地点。

　●12月26日〜27日の気温の推移（10分値）

　●12月26日〜27日の日立市内の気温の推移（10分値）

　●12月27日09時の空の様子（市役所から北西を見る）と気象衛星可視画像

　●12月27日12時の空の様子（市役所から南を見る）と気象衛星可視画像

　●参考：12月27日12時のアメダスによる気温と風の分布

　●参考：2017年12月27日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図

※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。また、観測地点における上段の数値は、その地点の500hPaの高さにおける気温を、下段の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。

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作成日 2018/01/12
名前 日立市天気相談所