OBSERVATION観測
◇下旬に厳しい寒さ
上旬は冬型の気圧配置になることが多く、晴れて乾燥した天気が続きました。中旬に入ると、大陸の高気圧が移動性となって日本付近を通るようになり、晴れて後半は気温が高くなりました。22日に、本州南岸を低気圧が発達しながら通過して大雪となった後、非常に強い寒気が日本付近へ流れ込み、月の終わりにかけて強い冬型の気圧配置が続きました。このため、下旬は晴れて気温の低い日が続きました。この結果、月平均気温は3.9℃(平年比-0.7℃)と、平年より低くなりました。冬型の気圧配置が続いて晴れる日が多かったことから、月の日照時間は198.7時間(平年比104%)と平年並みになりました。月の降水量も41.0mm(平年比83%)と、ほぼ平年並みになりました。
1月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 3.9 4.6 月降水量(mm) 41.0 49.6 月日照時間(時間) 198.7 191.3
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 5.2 5.1 中旬 5.0 4.5 下旬 1.7 4.3
旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 62.2 61.2 中旬 62.1 59.1 下旬 74.4 71.2
●1月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移
●1月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移
今年の1月は、下旬に入って下層へ強い寒気が流れ込んできたことから、下旬の平均気温は1.7℃と平年より2.6℃低くなりました。これは、観測開始以来第3位の低い気温です。また、月最低気温も25日には-5.6℃を記録し、2014年2月5日の-5.4℃以来4年ぶりに-5℃未満の気温となりました。
ただ、上旬と中旬に低気圧に伴う暖気や移動性高気圧におおわれて気温の上がる時があったことから、月平均気温は平年より0.7℃低くなっただけで、観測開始来の低い方からの順位は第17位でした。また、近年の1月と比較しても、2011年の2.9℃、2012年の3.0℃、2013年の3.6℃よりも高くなりました。冬日(日最低気温0℃未満の日)の日数も17日と平年並みで、2011年の23日、2012年の20日よりも少なくなりました。
●1月の気温の記録
月平均気温(℃) 順位 年 平均気温 1 1984 2.3 2 1985 2.5 2 1977 2.5 4 1981 2.7 省略 17 2018 3.9 平年値 4.6
下旬平均気温(℃) 順位 年 平均気温 1 1986 1.2 2 1990 1.5 3 2018 1.7 4 1954 1.8 5 1988 1.8 平年値 4.3
月最低気温(℃) 順位 年 平均気温 1 1960 -6.9 2 1984 -6.5 3 1963 -6.4 4 1985 -6.3 省略 10 2018 -5.6
冬日の日数 順位 年 平均気温 1 1986 26 1 1981 26 1 1963 26 4 1961 25 省略 27 2018 17 平年値 16.9 ※順位は気温の低い方または日数の多い方からで、1953年〜2018年の統計
◇1月の日立市内の気温と降水量
1月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高く、市内平均より2.1℃高くなりました。次いで気温が高かったのは最も北に位置する十王交流センターで、市役所より0.8℃低くなりました。一方、山間部にある西部支所と本山は気温が低く、月平均気温は0℃未満になりました。市内7地点の平均気温は1.8℃で、12月より2.1℃低くなりました。また、水戸の月平均気温は2.8℃と日立市の平均よりも1.0℃高く、12月に引き続いて水戸の気温は日立市内平均よりも高くなっています。なお、日立市内で水戸よりも平均気温が高かったのは、日立市役所と十王交流センターの2か所だけでした。
一方、月の降水量の市内平均は35.6mmで、12月の平均降水量16.4mmよりも20mm近く多くなりました。観測地点の間の差は12月よりも大きくなり、最も降水量の多かった十王交流センターの45.0mmに対して、最も少なかった西部支所は24.0mmと1.9倍の差でした。また、市内7地点の平均降水量35.6mmに対して、水戸の月降水量は48.5mmと40%ほど多くなりました。
●1月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果
1月の気温(℃)の記録 観測地点 平均
気温最高気温 最低気温 気温 日時 気温 日時 日立市役所 3.9 13.4 09 13:27 -5.6 25 02:29 十王交流センター 3.1 13.1 08 13:39 -6.3 25 04:13 北部消防署 2.4 11.1 09 14:33 -7.2 27 04:29 本山(中学校跡) -0.3 10.3 18 12:34 -10.5 25 03:18 西部支所 -0.5 11.1 18 13:32 -10.7 25 06:52 諏訪広場 1.6 11.0 09 13:19 -7.5 25 03:15 南部支所 2.2 11.8 18 14:40 -8.5 27 07:23 上記7地点の平均 1.8 - -
- -
日立会瀬 3.9 13.0 09 13:24 -6.2 25 03:09 水戸(金町) 2.8 13.3 18 13:01 -7.9 27 05:25
1月の降水量(mm)の記録 観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量 降水量 日 降水量 日時 日立市役所 41.0 13.0 17 4.0 09 01:44 十王交流センター 45.0 17.5 17 5.0 17 18:22 北部消防署 39.0 13.0 17 4.0 18 01:02 本山(中学校跡) 41.0 13.0 22 4.0 08 23:02 西部支所 24.0 8.0 17 4.0 08 22:51 諏訪広場 30.5 9.0 22 3.0 09 01:32 南部支所 28.5 9.0 17 3.0 17 18:22 上記7地点の平均 35.6 - -
- - 日立会瀬 42.0 13.0 17 4.0 09 01:47 水戸(金町) 48.5 18.0 17 4.5 17 18:11
※日立会瀬と水戸(金町)は気象庁の観測地点。
◇南岸低気圧による雪(1月22日)
22日、上層の気圧の谷が本州上をを東へ進みました。これに伴って、低気圧が発達しながら本州南岸を東北東へ進みました。22日の午前中に三陸沖へ抜けた高気圧から関東地方の下層へくさび状に寒気が流れ込んだことから、関東地方では昼頃から夜の初めにかけて気温が低くなりました。このため、22日の昼前から23日の未明にかけて雪が降り続き、各地で積雪が10cmを超える大雪となりました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ750m付近(925hPa面)の気温は、21日21時の2.9℃から22日21時には-3.3℃まで下がり、一時的に地表付近へ寒気が入ったことを示しています。
関東地方各地の積雪は、群馬県前橋で29cm、栃木県宇都宮で27cm、東京都北の丸公園で23cmなどでした。東京の都心で積雪が20cmを超えたのは、2014年2月8日と15日の27cm以来4年ぶりです。茨城県内の積雪は、下妻で29cm、鉾田で22cmなど、県西から鹿行地域で積雪が多くなりました。また、水戸では積雪が19cmとなり、2006年1月21日以来の15cmを超える積雪となりました。
日立市役所では22日昼前から雪が降り始め、15時から21時にかけて雪の降り方が強まり、22時には最深積雪10cmを記録しました。低気圧が東海上へ進んだ23日未明には気温が上がったため、5時の積雪は5cmとなり、13時には積雪はなくなりました。日立市役所の最深積雪10cmは、2014年2月9日の13cm以来の多い記録です。なお、山間部にある奥日立きららの里では、23日9時の積雪が20〜30cmになりました。
日立市役所における気温の推移を見ると、22日の10時11分に2.2℃まで上がった後、11時30分に雪が降り出してくるとともに気温が1.5℃程下がり始めました。13時00分に気温が0℃未満となった後も気温は下がり続けて、14時53分にこの日の最低気温-1.1℃を記録しました。その後、気温は徐々に上がり出し、17時40分には0℃を超えました。夜に入って気温は横ばいで推移した後、23時から23日1時過ぎにかけて気温は2℃近く上昇しました。このため、21時以降は積雪はほとんど増えませんでした。
日立市内の他の地点も、日立市役所と同じような気温の変化をしました。その中で、山間部にある本山は、日中の気温が最も低くなりました。22日の最高気温は10時01分に記録した-0.6℃で、日立市内で唯一の真冬日(日最高気温0℃未満)となりました。本山で真冬日となったのは、2014年2月5日(日最高気温-0.3℃)以来です。
●日立(市役所)と水戸(金町)における積雪の深さ(cm)
日 | 時 | 11時 | 12時 | 13時 | 14時 | 15時 | 16時 | 17時 | 18時 | 19時 | 20時 | 21時 | 22時 | 23時 | 24時 |
8日 |
日立 | - | - | 0 | 1 | 3 | 4 | ** | 6 | ** | ** | 9 | 10 | ** | 9 |
水戸 | - | - | - | - | 2 | 3 | 6 | 10 | 14 | 15 | 18 | 19 | 19 | 19 |
※日立における積雪の観測は12時〜24時。
日 | 時 | 01時 | 02時 | 03時 | 04時 | 05時 | 06時 | 07時 | 08時 | 09時 | 10時 | 11時 | 12時 | 13時 | 14時 |
9日 |
日立 | ** | ** | ** | ** | 6 | 5 | 5 | 5 | 5 | 4 | 3 | 2 | - | - |
水戸 | 19 | 18 | 18 | 18 | 17 | 17 | 17 | 17 | 17 | 17 | 17 | 16 | 14 | 12 |
※日立における積雪の観測は05時〜13時。
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※大子、鉾田、下妻は23日00時の値
※最深積雪の順位は数値の大きい方からで、1954年から2018年の統計。
●1月22日の気温(℃)と平年値の比較
地点 | 日平均気温 | 最高気温 | 最低気温 | |||||
気温 | 平年値 | 気温 | 時刻 | 平年値 | 気温 | 時刻 | 平年値 | |
日立市役所 | 0.6 | 4.3 | 2.6 | 00:01 | 9.1 | -1.1 | 14:53 | -0.1 |
十王交流センター | 0.1 | − | 2.0 | 10:53 | − | -1.3 | 16:12 | − |
北部消防署 | -0.9 | − | 1.2 | 00:17 | − | -2.5 | 16:15 | − |
本山(中学校跡) | -2.4 | − | -0.6 | 10:01 | − | -3.6 | 14:55 | − |
西部支所 | -1.9 | − | 0.9 | 10:44 | − | -4.0 | 04:13 | − |
諏訪広場 | -1.3 | − | 0.4 | 09:59 | − | -2.8 | 06:36 | − |
南部支所 | 0.3 | − | 1.8 | 00:24 | − | -1.4 | 15:21 | − |
日立会瀬 | 0.6 | − | 2.9 | 00:05 | − | -1.0 | 14:57 | − |
水戸(金町) | 0.4 | 2.9 | 3.0 | 09:36 | 8.7 | -1.5 | 20:41 | -2.2 |
つくば | 0.7 | 2.6 | 3.1 | 00:13 | 8.7 | -1.3 | 20:08 | -3.2 |
●日立市役所から見た降雪の様子(22日:西側駐車場、23日:北西方向を見る)
●1月22日から23日の気温の推移(10分値)
●1月22日から23日の日立市内の気温の推移(10分値)
●参考:1月21日と22日21時のつくばにおける大気断熱線図
21日21時から22日21時にかけて、850hPaより下の高度で気温が下がっている。(850hPaから500hPaでは気温が上がった。)
●1月22日15時と24時のアメダスによる気温の分布
●1月22日21時の気象衛星赤外画像と23日10時の気象衛星可視画像
●参考:1月22日の21時の地上天気図と850hPa面高層天気図
作成日 2018/02/07
名前 日立市天気相談所