OBSERVATION観測
◇雨が少なく、月の終わりに寒くなる
2日に移動性高気圧が日本付近を東へ進んだ後、アムール川中流からサハリン付近へ進んだ上層の気圧の谷動きが遅く、日本付近では西谷の気圧配置が続きました。このため、関東地方では9日の前半にかけて天気がぐずつき、曇りや雨の日が多くなりました。中旬以降は低気圧と高気圧が交互に通過し、天気は数日の周期で変化しました。月の終わりには強い寒気が南下してきて、冬型の気圧配置が強まりました。上旬は気圧の谷に向かって南から暖かい空気が流れ込んで気温の高い日が続いたことから、月平均気温は7.8℃と平年より0.5℃高くなりました。また、上旬に天気がぐずついたことから、月の日照時間は155.7時間(平年比84%)と平年より少なくなりました。一方、日本付近で低気圧が発達することがなく、下旬後半は冬型の気圧配置が強まったことから、月の降水量は15.0mm(平年比35%)と平年より少なくなりました。
12月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 7.8 7.3 月降水量(mm) 15.0 43.3 月日照時間(時間) 155.7 184.7
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 10.4 8.7 中旬 6.9 7.1 下旬 6.2 6.2
旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 30.8 56.5 中旬 58.6 59.3 下旬 66.3 68.9
●12月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移
●12月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移
◇12月の日立市内の気温と降水量
12月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高く、市内平均より1.4℃高くなりました。次いで気温が高かったのは海に近い北部消防署で、市役所より0.3℃低くなりました。一方、山間部にある西部支所と本山は気温の低い方になっています。市内7地点の平均気温は6.4℃で、11月より5.6℃低くなりました。また、水戸の月平均気温は6.2℃と日立市の平均よりも0.2℃低くなり、2015年1月以降、初めて水戸の気温が日立市内平均よりも低くなりました。なお、日立市内で水戸よりも平均気温が低かったのは、本山と西部支所の2か所だけでした。
一方、月の降水量の市内平均は13.1mmで、11月の平均降水量57.4mmの1/4でした。観測地点の間の差は11月と同じで、最も降水量の多かった日立市役所の15.0mmに対して、最も少なかった諏訪広場は10.5mmと1.4倍の差でした。また、市内7地点の平均降水量13.1mmに対して、水戸の月降水量は24.5mmと2倍近くになりました。
●12月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果
12月の気温(℃)の記録 観測地点 平均
気温最高気温 最低気温 気温 日時 気温 日時 日立市役所 7.8 19.9 05 11:25 -2.8 30 06:47 十王交流センター 7.3 21.3 04 13:49 -3.2 30 03:19 北部消防署 7.5 20.4 04 22:24 -3.6 30 05:03 本山(中学校跡) 4.3 17.8 04 13:11 -6.2 30 05:04 西部支所 4.3 19.0 05 12:18 -6.7 29 05:19 諏訪広場 6.8 19.1 05 02:21 -3.4 30 06:24 南部支所 6.5 19.2 04 14:39 -4.9 30 07:23 上記7地点の平均 6.4 - -
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日立会瀬 7.9 19.9 05 01:36 -3.4 30 07:04 水戸(金町) 6.2 20.2 04 14:18 -5.4 30 06:53
12月の降水量(mm)の記録 観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量 降水量 日 降水量 日時 日立市役所 15.0 6.5 12 2.0 12 04:22 十王交流センター 13.0 6.5 12 3.5 12 04:34 北部消防署 13.0 5.5 12 2.0 12 04:33 本山(中学校跡) 14.5 7.5 12 3.0 12 04:49 西部支所 12.0 7.5 12 2.5 12 04:50 諏訪広場 10.5 5.5 12 2.0 12 01:14 南部支所 13.5 6.0 12 3.0 12 01:16 上記7地点の平均 13.1 - -
- - 日立会瀬 14.5 6.0 12 2.0 12 01:39 水戸(金町) 24.5 8.0 12 4.0 06 09:33
※北部消防署は、23日11時から25日09時まで機器の故障により欠測。
※日立会瀬と水戸(金町)は気象庁の観測地点。
◇強い寒気が入り気温が低くなる(12月30日)
27日から30日にかけて、強い寒気を伴った寒冷渦が日本海北部からオホーツク海へゆっくりと進みました。地上では、寒冷渦の南側を回る気圧の谷が27日に東へ抜けた後、31日にかけて強い冬型の気圧配置が続きました。これに伴って下層へ強い寒気が入り、全国的に気温が低くなりました。関東地方には28日の午前中から寒気が入ってきました。このため、関東地方南部を除いて最高気温は10℃未満となりました。一方、28日は北西の季節風が強く吹いたことから、朝の冷え込みは強まりませんでした。しかし、29日以降は季節風が弱まったため朝の冷え込みが強まり、内陸部では最低気温が-5℃未満となる地点が多くなりました。
日立市役所における気温の推移をみると、27日の夕方から気温が下がり始め、28日から30日にかけては、最高気温は7℃から8℃までしか上がりませんでした。また、最低気温も28日以降は0℃未満の日が続きました。しかし、28日と29日は北西の季節風がやや強く吹いたことから朝の冷え込みは強まらず、最低気温は28日が-1.1℃、29日が-1.2℃でした。29日の夜遅くから季節風が弱まると、気温は下がっていきました。30日の朝にかけて風の弱い状態が続いたため、30日の最低気温は日の出直前の06時47分に記録した-2.8℃でした。12月の最低気温としては、2012年12月27日の最低気温-2.6℃以来の低い気温でした。
日立市役所以外の市内の他の地点も、西部支所を除いて30日に最も気温が低くなりました。西部支所は川沿いの盆地状の地形のため29日も風が弱く、上層の寒気が強かった29日の方が最低気温が低くなりました。また、いずれの地点も日立市役所より気温が低くなりました。日立市内で最も気温が低かったのは29日の西部支所で、05時19分に最低気温-6.7℃を記録しています。
●12月30日の気温(℃)
地点 | 日平均気温 | 最高気温 | 最低気温 | |||||
気温 | 平年値 | 気温 | 時刻 | 平年値 | 気温 | 時刻 | 平年値 | |
日立市役所 | 1.7 | 5.7 | 7.2 | 13:46 | 10.6 | -2.8 | 06:47 | 1.1 |
十王交流センター | 1.0 | - | 6.6 | 12:04 | - | -3.2 | 03:19 | - |
北部消防署 | 1.2 | - | 5.9 | 11:25 | - | -3.6 | 05:03 | - |
本山(中学校跡) | -1.3 | - | 3.8 | 12:38 | - | -6.2 | 05:05 | - |
西部支所 | -1.1 | - | 5.8 | 13:14 | - | -6.3 | 07:10 | - |
諏訪広場 | 1.0 | - | 5.9 | 13:27 | - | -3.4 | 06:24 | - |
南部支所 | 0.9 | - | 6.7 | 14:33 | - | -4.9 | 07:23 | - |
日立会瀬 | 1.6 | - | 6.7 | 13:53 | - | -3.4 | 07:04 | - |
水戸(金町) | 0.9 | 3.8 | 7.0 | 13:27 | 9.9 | -5.4 | 06:53 | -1.5 |
※日立会瀬、水戸(金町)は気象庁の観測地点。
●今季の最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●12月29日〜30日の気温と風速の推移(10分値)
●12月29日〜30日の日立市内の気温の推移(10分値)
●参考:12月29日05時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:12月30日07時のアメダスによる気温と風の分布
●12月29日と30日11時の気象衛星可視画像
●参考:2018年12月29日と30日03時の地上天気図
●参考:2018年12月29日と30日09時の500hPa面高層天気図
※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。また、観測地点における上段の数値は、その地点の500hPaの高さにおける気温を、下段の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。
作成日 2019/01/15
名前 日立市天気相談所