OBSERVATION観測
◇気温の変動が大きくなる
寒冷渦が東シベリアからカムチャッカ半島付近に停滞したため、日本付近は寒気が入りやすくなりました。しかし、低気圧が周期的に通過したため、低気圧の通過前は南から暖気が入り気温が上がり、低気圧の通過後は寒気が南下して気温が低くなって月を通して気温の変動が大きくなりました。月の後半に低気圧が日本海を進んで気温がかなり上がる日があったため、月平均気温は5.1℃と平年より0.8℃高くなりました。低気圧が頻繁に通過したものの本州付近での低気圧の発達は弱く、移動性高気圧におおわれて晴れる日も多かったため、月の日照時間は189.8時間(平年比110%)と平年より多くなりました。また、月降水量は47.0mmと平年の75%になりました。
2月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 5.1 4.3 月降水量(mm) 47.0 62.5 月日照時間(時間) 189.8 172.2
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 4.6 3.9 中旬 4.7 4.4 下旬 6.2 4.6
●2月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移
今年の冬(1998年12月から1999年2月)は1月上旬に一時的に寒くなる日があったものの、それを除くと平年よりも気温の高い日が多くなりました。特に、1月後半は移動性高気圧におおわれて南から暖気が入ったため、下旬の平均気温は平年より2℃近く高くなりました。2月は低気圧が周期的に通過し、低気圧の通過後は強い寒気が流れ込んだたため、気温の変動が大きくなりました。
●1998年12月から1999年2月にかけての日立市役所における日平均気温の推移
◇北西の強い季節風
2月27日、二つ玉低気圧が日本付近を通過した後、オホーツク海で一つにまとまり非常に発達しました。このため、北日本から東日本にかけて冬型の気圧配置が強まり、西よりの風が強く吹きました。日立市役所でも、27日14時過ぎに最低気圧を観測して低気圧が通過した後、16時ごろから気温が下がり始めるとともに、北西の風が強くなりました。そして、19時57分に西北西の風32.5m/sの最大瞬間風速を、21時28分には西北西の風15.5m/sの最大平均風速を記録しました。これは、現在の観測方法になって以降、最大平均風速は第3位、最大瞬間風速は第4位の強い風の記録です。低気圧の速度が速かったため、この強い風は真夜中にはおさまりました。
●2月27日の風速の記録(単位:m/s)
|
平均風速 | 瞬間風速 | ||||
最大風速 | 同風向 | 同時刻 | 最大風速 | 同風向 | 同時刻 | |
日立市役所 | 15.5 | 西北西 | 21時28分 | 32.5 | 西北西 | 19時57分 |
水戸 | 9.1 | 北西 | 22時30分 | 18.1 | 西北西 | 21時44分 |
●日立市役所における風速(m/s)の記録
|
|
※平均風速については、三杯風速計から風車型風速計に変更した1979年2月16日以降の統計。
※瞬間風速については、1959年9月1日以降の統計。
●2月27日の気温と海面気圧の推移(日立市役所:10分値)
●2月27日の風向と風速の推移(日立市役所:10分値)
※上のグラフの元データ:990227da.xls(エクセル2000ファイル、281KB)
●2月27日と28日09時の地上天気図
更新日:1999/03/05
訂補日:2013/10/23
名前 日立市天気相談所