OBSERVATION観測
◇暖かな早春
天気は数日の周期で変化しました。しかし、本州南岸に前線が停滞することがあり、低気圧が発達して日本海を進むことも多かったため降水量が多くなりました。月の降水量は135.0mmで、平年の134%になりました。また、曇りや雨の日が多かったことから月の日照時間は144.4時間と平年の76%しかありませんでした。日本海を進む低気圧に向かって南から暖気が入り、気温は高くなりました。しかし、低気圧の通過後は強い寒気が入り、寒暖の変動が大きくなりました。月平均気温は8.4℃と平年より1.8℃高くなり、3月の気温としては観測開始以来第4位の高い気温でした。
3月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 8.4 6.6 月降水量(mm) 135.0 100.5 月日照時間(時間) 144.4 188.8
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 7.8 5.4 中旬 9.7 6.5 下旬 7.9 7.8
3月平均気温(℃) 順位 年 平均気温 1 1966 8.6 2 1997 8.6 3 1990 8.5 4 1999 8.4 5 1959 8.2 ※3月平均気温の順位は気温の高い方から (1953年〜1999年の統計)
●3月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPa面の気温(09時)の推移
●3月の日立市役所における日最高気温と日照時間の推移
●ぐずついた天気が続いた時の天気図の例
今年の3月は本州付近に偏西風の強風帯が位置し、上層の大気が西南西から東北東への流れとなることが多くありました。そして、この流れに沿って南西から湿った空気が入り偏西風南端の本州南岸に前線が停滞し、曇りや雨の日が続きました。
1999年3月10日09時の地上天気図 | 1999年3月10日09時の500ha面高層天気図 |
◇朝の気温の違い
最初に述べたように、今年の3月は低気圧が日本海を通過することが多く、朝の気温の下がらない日がありました。特に、3月19日は東北地方にかかる寒冷前線に向かって南から暖かい空気が入ったため、全国的に暖かい朝となりました。日立市役所でも、明け方から朝にかけてほとんど気温が下がらず、朝の最低気温は平年よりも12℃高い15.0℃までしか下がりませんでした。なお、寒冷前線が通過した20時過ぎから北東の風に変わるとともに、気温は下がり始めました。この日の最低気温は23時59分に記録した6.6℃で、朝よりも8℃近く低くなりました。
4日後の3月23日は、日本の東で上層の気圧の谷が深まり、強い寒気が南下してきました。地上では移動性高気圧が本州上を東へ進んだたため、晴れて風が弱まりました。この日の気温の変化を見ると、未明から明け方にかけて気温が下がり、日の出の直後の5時57分に日最低気温-1.4℃を記録しました。その後、日が上がるとともに気温も急速に上昇しました。しかし、9時を過ぎると気温の上昇は鈍り、最高気温は14時23分に記録した10.2℃で、19日の最高気温18.5℃よりも8℃近く低くなりました。
※市役所における3月19日と23日の10分間データ:テキストファイル16KB(下のグラフの元データ)
●3月19日と23日の気温の推移(10分値)
●3月19日09時の地上天気図と500ha面高層天気図
●3月23日09時の地上天気図と500ha面高層天気図
更新日:1999/04/02
訂補日:2003/02/20
訂補日:2013/06/10
名前 日立市天気相談所