OBSERVATION観測
◇下旬に暑い夏
上旬はオホーツク海高気圧が強まり、冷たい北東の風が入って気温が低くなりました。中旬になると日本の東海上で高気圧が強まり、南から北上してきた低気圧や熱帯低気圧の影響を受けて曇りや雨の日が多くなりました。下旬になると太平洋高気圧が強まり、関東地方では晴れる日が続くようになりました。しかし、高気圧の西への張り出しが弱く、関東地方では高気圧の縁を回る形で南西の風が入るようになりました。このため、日中の気温が高くなるとともに夜間も気温が下がらなくなり、平均気温は平年を大きく上回るようになりました。この結果。月平均気温は24.4℃と平年より1.6℃高くなりました。これは、7月の平均気温としては日立市役所観測開始以来5番目に高い記録です。
降水量については、10日から15日にかけて南海上から北上してきた熱帯低気圧の影響により降水量223.0mmの雨が降ったため、月降水量は238.5mmと平年の178%になりました。旬別の降水量を見ると、中旬の 183.5mmに対して、上旬は44.0mm、下旬は11.0?と、いずれも平年より少なく、熱帯低気圧の影響を除くと降水量は平年より少なくなっています。一方、月の日照時間は下旬に晴れる日が続いたものの、中旬に晴れた日が1日にしかなかったことから133.2時間と平年の94%でした。
7月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 24.4 22.8 月降水量(mm) 238.5 132.0 月日照時間(時間) 133.2 141.3
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 20.9 21.0 中旬 23.8 22.7 下旬 28.1 24.7
旬降水量(mm) 旬 観測値 平年値 上旬 44.0 55.5 中旬 183.5 43.9 下旬 11.0 32.5
旬日照時間(時間) 旬 観測値 平年値 上旬 41.5 33.2 中旬 7.3 41.1 下旬 84.4 67.0
●7月の日立市役所における日平均気温と日最高気温の推移
22日に梅雨前線が東北地方へ北上した後、関東地方では晴れて暑い日が続くようになりました。日立市でも連日最高気気温が30℃を超えて、下旬の平均気温は28.1℃と平年より3.4℃も高くなりました。これは、1955年と1961年7月下旬の平均気温27.1℃よ1℃高く、これまでで最も高い記録となりました。また、7月の真夏日(日最高気温30℃以上の日)の日数は12日となり、これまでで最も多くなりました。
●7月の平均気温の記録
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※順位は気温の高い方または日数の多い方からで、1953年〜1999年の統計
●参考:7月6日と30日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図
今年の7月は、上旬と下旬で天気図が大きく異なりました。6日の500hPa面高層天気図を見ると、偏西風は日本付近で南へ蛇行し、-9℃の等温線で示される上層の寒気が東日本をおおっています。地上では日本海からオホーツク海にかけて高気圧が連なり、関東地方には冷たい北東の風が入りました。このため日立市では雲が多く、午後は晴れたものの最高気温は21.6℃までしか上がりませんでした。
一方、30日の500hPa面高層天気図を見ると、偏西風は北海道の北まで北上し本州付近は5880mの等高度線で示されるように太平洋高気圧におおわれています。地上では梅雨前線は北海道まで北上し、本州付近は東から高気圧におおわれています。このため、日立市では晴れて気温が上がり、最高気温は35.4℃を記録しました。
※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。また、観測地点における上段の数値は、その地点の500hPaの高さにおける気温を、下段の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。
更新日:1999/11/04
訂補日:2013/07/03
名前 日立市天気相談所