OBSERVATION観測
◇寒冷低気圧による夜中の大雨
短い周期で低気圧や前線が通過し、曇りや雨の日が多くなりました。このため、4月の降水量は230.5mmと、平年の168%になりました。4月の降水量としては、観測開始以来1990年の246.0mmに次いで2番目に多くなりました。特に、4月24日の夕方から25日の明け方にかけては、本州南岸を進んだ低気圧の影響で、1時間に10〜20mmの強い雨が降りました。また、月の日照時間は135.0時間と、平年の76%しかありませんでした。一方、気温は上旬後半に強い寒気が入って低くなったものの、中旬から下旬にかけては寒気の南下もなく気温は平年を上回りました。このため、月平均気温は13.3℃と平年より1.5℃高くなりました。
4月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 13..3 11.8 月降水量(mm) 230.5 132.4 月日照時間(時間) 135.0 177.7
旬平均気温(℃) 旬 観測値 平年値 上旬 10.7 10.4 中旬 14.6 11.8 下旬 14.5 13.6
●4月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPaの気温(09時)の推移
●4月の降水量と日照時間の記録
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4月の日最大降水量(mm)
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4月の日照時間(時間)
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※順位は数値の多い方または少ない方からで、1953年から1999年の統計 |
4月23日から25日にかけて、本州の南海上を上空に寒気を伴った低気圧が、ゆっくり東へ進みました。低気圧の動きが遅かったため、23日から25日にかけて雨が降り続き、総降水量が多くなりました。日立市役所では、23日18時から25日18時までの降水量が159.0mmになりました。山間部の本山(あかさわ山荘)では、降水量が286.0mmに達しました。
また、4月24日午後から、この低気圧の北東側で積乱雲が発達しました。夜に入って、この雲が南東から北西へ進んだため、日立市では4月25日の明け方1時28分から2時28分にかけて、1時間降水量21.5mmの強い雨が降りました【市役所における4月24日から25日の10分間データ:テキストファイル18KB】。低気圧が三陸沖へ進んだ25日の夜には、雨は止みました。
23日から25日にかけての降水量の推移(日立市役所) |
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●参考:天気図と気象衛星画像
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気象衛星水蒸気画像は、上層から中層の大気の流れを視覚的に表すとともに、明暗の変化は大気の質的な違いを表します。22日、東シナ海へ上層に寒気を伴った気圧の谷が進んできました。この気圧の谷は東南東へ進み、23日には九州北部へ進みました。この頃から、上層の大気の流れに取り残される形で動きが遅くなり、26日になって関東地方まで進みました。
この気圧の谷は、上層に寒気を伴っていたことと、気圧の谷の西側から乾燥した空気が入ってきたため、東側で雨雲が発達しました。雨雲は、気圧の谷を回るように、南東から北西へ進んだため、関東地方から東北地方にかけて、降水量が多くなりました。
気圧の谷は、弱まりながら東へ進み、26日の午後に関東地方の東海上へ抜けました。日立市では23日から曇りや雨の日が続き、晴れてきたのは26日の昼過ぎになってからでした。
●参考:気象衛星水蒸気画像
〜04月25日21時 |
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更新日:1999/05/07
訂補日:2005/07/13
訂補日:2013/03/28
名前 日立市天気相談所